999本の赤い薔薇【ky】 (ページ33)

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episode 64 ページ33

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『座った…！！』

陽葵が生後6ヶ月を迎える頃。
支えがなくても数秒間だけど一人で座れるようになった陽葵。
それはもうキヨくんと大喜びしてたくさん写真を撮りまくった。

定期検診でも順調だと言ってもらえたし、すくすくと大きく育っている陽葵。

「成長って早えなあ、もう半年でこんなでかくなるんだもんな」

『ほんまにすごい、ひーが一番可愛い』

「間違いねえわ」

どれだけ夜泣きが激しくてもどれだけ大変でも陽葵の成長を見ると、ママやれてるんだって実感する。
それも全てキヨくんのサポートがあるからこそだ。

『そろそろ陽葵に離乳食…の時期らしくてさ。食べてくれるかなあ』

「ゆっくりで良いんじゃん？とりあえず今日慣らしていけばさ」

『せやんね、陽葵食べてくれるー？』

キヨくんが陽葵を抱き、スプーンで口元へと持っていく。
陽葵からすると全てがはじめて触れるもの。

当然上手くいくことはなくって、陽葵ははじめて見るスプーンや離乳食に拒否反応を示した。

「しょうがねえよ、陽葵のペースで慣れてこうぜ」

『はじめてやもんな、陽葵明日も頑張ろうな』

私達がはじめての子育てに日々奮闘してるのと同じように、陽葵もはじめてのことだから。
少しずつやればいいよとキヨくんは私の頭を撫でてくれた。

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