999本の赤い薔薇【ky】 (ページ27)

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episode 58 ページ27

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もうすぐ我が子に会えるという時期。
前から考えてはいたけれど、名前を確定させようとキヨくんと夫婦会議をすることにした。

「何が良い？」

『どうしよっか～名前って一生モンやん、変に読みにくいのとかは避けたいよなあ』

ゲームでつける名前とは違って愛する我が子の名前。
安易な考えで決めたくなくてずっと悩んでいたけど、そろそろ決めてあげないといけない。
名前をつけることの難しさと自分達の名前をつけてくれた親には頭が下がる思いだ。

『みんなに愛される子になってほしいなぁって思ってんねん、キヨくんみたいに』

「俺？Aだってそうじゃん」

『私はキヨくんに乗っかってるだけやもん』

キヨくんも鎖国してはいるけど、やっぱり私よりも長い分知り合いはたくさんいる。
愛されてるからこそ昔の人狼ゲームの時みたいに人がいっぱい集まるわけだし。

私には到底できないことだから。

『ちょっと読みにくいかもしれへんけどさ、太陽みたいに明るくて愛される子になってほしくてな？』

「え、めっちゃいいじゃん！」

『ほんまに？』

「俺的にこの字はこっちがいい」

私が紙に書いた“日葵”を“陽葵”と書き直すキヨくん。
少し読みにくい名前ではあるけど、向日葵からとってひまりと呼ぶ名前に決めた。

暖かくて明るい、みんなに愛される子になりますように。

そんな想いを込めて2人でまだお腹にいる子に“陽葵”と名を呼んだ。

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