999本の赤い薔薇【ky】 (ページ22)

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episode 53 ページ22

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『キヨくんキヨくん！性別！わかった！』

定期検診後、車で待ってくれていたキヨくんの元へ駆け寄ると報告する前にキヨくんに怒られた。

「走んなって！こけたらどうすんの！」

『私そんな鈍臭くないから。こけへんわ』

「わかんねえだろ、そんなもん。絶対だめ」

そんでどうだったの？って助手席に座った私の頬を撫でてキヨくんはそう聞いた。
言いたくて言いたくて仕方がなかった性別をキヨくんに報告する。

『女の子！やと思うって！』

「まじ！？えー、あー、女の子か！」

『たぶんやで？なんか隠れてて生まれたら男の子やったーとかもあるらしい』

けどほとんど女の子だろうって。
女の子はパパに似るって言うけどこの子はどうだろうか。
キヨくんに似て生まれてくるのかな。

少し膨らみが大きくなったお腹に手を当ててそう問いかける。

「じゃ、帰るか」

『あ、スーパー寄ってほしい、今日の夜ご飯の買い出ししやなもうないねん』

「了解～飯何すんの？」

『唐揚げでもしようかなって』

2人でスーパーに寄って一緒に買い物をする。
キヨくんは用事がない限り絶対に付き合ってくれるし、なんなら代わりに行ってくれたりすることも多くて。
最初こそ間違いだらけだったけど、今では慣れたキヨくんはさくさくとお目当の食材をカゴに入れていった。

『キヨくんキヨくん』

「ん？どーした？」

『大好き』

キヨくんの隣にいれて私は幸せだ。

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