999本の赤い薔薇【ky】 (ページ12)

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episode 43 ページ12

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画面にはおどろおどろしい映像が流れていて、コントローラーを持つ手が微かに震える。
それを見たキヨくんはけたけたと笑いながら私の手を握ってくれた。

「2人でフリーホラーゲーム！やんぞ！！」

『ほんまに嫌や…もう既に怖い…』

「俺がいっから！な！？」

キヨくんが始動させてゲームが始まる。
どうやら探索ゲームらしい。
暗い洋館とかそもそも雰囲気出過ぎていてフリーだとは思えない。

『待って待って待って待ってなんかいるって絶対！！！！！』

「いねえって、何もいねえっつの」

『ほんま待ってキヨくん待って進めへんー！！！』

「開始して何も探索してねえじゃん！」

ホラーゲームの嫌なところは急に画面に出てくることだ。
来るとわかっていれば良いけど、いつ出てくるかもわからないしびっくりするから見るのもやるのも苦手。
ゲームに関わらず映画やお化け屋敷なんてものも苦手分野だ。

こうしてよくキヨくんにやらされたり見させられたりするけど。

『ああああああああ！！嫌や！！！！来やんで！！！お願いやから！！！』

「ふは、うるさっ、スイおいで」

『もうほんまに嫌やあ…こんなん私にはできひん…、キヨくんのいじわる……』

「わりぃわりぃ、可愛いからつい」

キヨくんに抱き締められて背中をぽんぽんと叩かれる。
もう2度とホラーゲームなんてしないって病み上がりに誓った。

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