29 ページ29
･
そして次の日
私はお昼休みになってスマホを握りしめ待機していた
「あ、きた…」
ブブブブ…と震えるスマホは
私のタヨリも連鎖させる
指定された場所に向かうと
そこには紫耀と廉がいて
「学校で会うのは2度目？」
そう紫耀が笑うと
「俺とは3度目やろ」
と、廉が素っ気なく言った
「なんだよ、勝手にコソコソ会ってたのか？」
「ちがうわ。帰り際にたまたま見かけただけ。」
廉と紫耀が言い合いしてる間に
あの“男の子”が、焼きそばパンといちごミルクを抱え歩いていく
初めて、普通の“男の子”を見た。
あんなふうな顔なんだ。
普通、なんだ。
「…おい」
追いかける紫耀を見ていた廉が
私の腕を引く
「ほんまにいいんか？」
「…なにが？」
「あいつ消えるとこ、見てれんのか？」
廉はなんだかもの惜しげな瞳で私を見る
「……別に…大丈夫だし」
元はと言えば私だって
あの“男の子”のことを憎んでたんだ
別に痛いことない
消えてくれて清々するはず。
なのに、
あの普通のときの普通な“男の子”を見ると
なぜか同情みたいなものが湧き出るのは
私のタヨリがお人好しすぎるのでしょうか。
「…ほら、そろそろやろ」
その廉の声に紫耀の姿を追うと
その手には、あの、物体が握られている
紫耀があの引き金を引くと
あたりが血だらけになる、あの魔法のような残酷な器械
……パンッ！
そんな音が鳴り響き
廊下は血だらけになる
紫耀の背中越しに見える
あの“男の子”は
私が憎んだ、“男の子”だったのだろうか。
「…っ」
立ち尽くした私の腕を引き
廉は紫耀のもとへ進んだ
「A、強くなれ」
そう、廉は小声で
私のタヨリに語りかける
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1505人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆい(プロフ) - 続きがめちゃめちゃ気になります！更新楽しみに待ってます、！ (2018年9月25日 21時) (
レス) id: 7738179a6b (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - とても面白いです！続きが気になります(°▽°)応援してます！ (2018年9月7日 1時) (レス) id: 7738179a6b (このIDを非表示/違反報告)
岸くん - 難しいけど読み応えありすぎます。受験勉強の合間に見ます！楽しみです^ ^更新頑張ってください(^ ^) (2018年9月4日 23時) (レス) id: 432971ccb6 (このIDを非表示/違反報告)
霞草(プロフ) - ふみなさん» コメントありがとうございます！！廉くんですね！どんなオチになるかまだ検討中ですが、出来る限り楽しんでもらえる方向に考えます(`o´) (2018年9月4日 23時) (レス) id: a823ba01c8 (このIDを非表示/違反報告)
ふみな(プロフ) - とても面白いです！今までオチは廉くんでしたが今回もそういうのあればぜひ廉くん出みたいです！続き楽しみにしています！ (2018年9月2日 22時) (レス) id: 5163432d21 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：霞草
| 作成日時：2018年9月1日 21時
