この世界の主人公は。《Ren.N》

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廉を連れて家に帰ると
もうみんな集まっていて




「呼び出すとか珍しいじゃん、なに？？」



ジンは不思議そうな顔
私は口を開いた




「お母さんから、教えてもらったんだけど

廉のお母さんたち、
こっちの町長さんと揉めてたらしいよ」





いつもの和室に

夕方になりきらない太陽が
灯りがない部屋に差し込む





「…わかった」



紫耀はそう言い立ち上がった



「この事件の犯人はその町長だ！！

集まりにも出てるし、
町長なら、この島の事件をなかったことにしたいのも意味が通る！」




「たしかに、自分の町がそんな風に言われるの嫌だろうしね」




ジンの相槌に
ドヤ顔の紫耀。




「そんな簡単かなぁ〜」





海人は今まで集めた証拠の写真や、メモが書き込まれた紙を見ながら言う




「絶対そうだって、

揉めてたんだろ？それで腹たって殺した！

サイコパスだったらそんくらいするって！」



なんだか、知ってる知識で上手いこと言ってるように聞こえるけど


まぁ、私もその意見が妥当だとは思う。






「じゃあさ、とりあえずは町長のこと見張ってよう。

廉を家以外の場所で一人きりにしないこと！

あと、こうやって調査まがいのことしてるってバレないこと！」





玄樹の言葉に

みんなは頷いた





．






その日の夜
私と廉でみんなをバス停まで送り、




私は坂道のはじまりで
廉を見送るために、家を過ぎて少し歩いた







暗い空の下に光る星がまるでこぼれ落ちてきそうで



廉はそんな星を拾い上げるように




「こっちの空は、綺麗やな」




そう呟いて空を仰ぐ




まるで有名な写真家が撮ったかのような



美しい横顔に


私は吸い込まれる





「廉はさ、」





「ん？」




私が話しかけたことによって
目の前の綺麗な画面が移り変わることに

少し名残惜しさを感じながら



目の前に移り映った廉にまた、吸い込まれる


廉の瞳は不思議だ

どこまでも深く深く私を引きずる




その目の中に何を思おうと

私は廉をどこまでも慕い続けるんだろう





「廉は変わった？

あのころと比べて、何か変わった？」

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