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「お待たせー」
廉はいつもの服で
手を振ってやってきた
少し疲れた様子だけどさっきまでの艶はまだ色褪せていない
「どやった？」
「もう、ほんとに、ほんとにかっこよかった」
最後の曲、廉と紫耀くんが向かいに座り
廉の優しいアコースティックギターが
紫耀くんの声を乗せて飛ばした
まるで紙飛行機、ううん。それよりもずっと軽く優しい
白い羽のような廉のギター
「あんなの皆ファンになっちゃうよ」
思わず呟いた本音を聞いた廉は
顔を赤くした。私はそんな廉を見て
恥ずかしい事言ったんだ、と理解した
「ごめん、忘れて！」
慌てて弁明すると
廉は足を止めた
私も思わず足を止める
「忘れられへん」
「へっ？」
廉は私の手を握った
私は思わず固まる
ドクンドクンと、鳴る鼓動は
廉の心臓だと気づいた
私、
抱きしめられてる？
「廉…？」
「俺、Aが好き」
そっと体を離して
廉は私を見つめた
夏のはじまり、明るい夜
かすかに遠くで蝉の声がしている
廉は今私を目に宿して
その目は私でいっぱいいっぱいだ
「俺と付き合ってくれませんか？」
廉は一世一代の告白をするように
覚悟を決めて、その言葉を発したような気がした
廉のその言葉には真実しかなく
私はその真実にかけようと思った。
私の思いを
あなたのためだけにかけようと思ったのだ。
「私も廉が好きだよ」
独り占めにさせてよ
ステージの廉はみんなにあげるから
ふたりきりの廉は私だけにください。
ねぇ、神さま。
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なるみ(プロフ) - はじめまして。いつも楽しく拝見させていただいております。エンドロールのパスワードを教えていただきたいです！ (2023年4月14日 12時) (
レス) @page35 id: a37fb134db (このIDを非表示/違反報告)
霞草(プロフ) - 椿さん» コメントありがとうございます。これからもよろしくお願いします○|￣|＿ (2019年11月6日 0時) (レス) id: 402b5f83f6 (このIDを非表示/違反報告)
椿 - 霞草さんのお話めちゃめちゃ大好きで読んでます！今回もすっごい面白かったです！！ (2019年11月3日 8時) (レス) id: e0292a59d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霞草
| 作成日時：2019年10月15日 11時
