プラハ

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廉授業中?



ピコンピコンと
通知を鳴らすシルバーのスマホ

演劇論をぽーっと聞いていた私は
一応の配慮から机の下でスマホを開いた



やはり。彼からだと思った。




Aそうですが何か。




即既読がつく。
廉はいま、暇らしい。





廉このあと飯いこ


A無理。今日サークルある


廉なんでなん?


Aえ、ちゃんと読んで?


廉廉くんせっかくAの大学まで来たのに






はい？
聞いてない聞いてない。


廉からのメッセージに目を見張っていると
チャイムが鳴り教授はもう降壇していた。


ガヤガヤと騒がしくなる教室
金曜5限終わりの学生たちはとても楽しそう。

ピコンピコン


またもやスマホの通知音で
手元に目線を戻すと


廉Aちゃんみーっけ




と、メッセージが入っていた。
ほんとに来たんだこの人。





「A」






私が彼の姿を探すよりも先に
私の肩をとんとんと叩いた





「……なんで来たのよ」

「なんでって！嬉しくないんか！」

「いや、嬉しいけど私サークルあるんだよ」

「いっぱい時間かかる？」

「いや、、ミーティングだけだけど…」



パァッと明るくなる廉の顔。




「なら待ってるからご飯いこ！」

「そこまでご飯行きたいなら紫耀くんとか誘えばいいのに」

「なんでそんなん言うん、紫耀と行く飯とAと行く飯ぜんぜん味ちゃう」

「味覚どうかしてんじゃない」




チェッとわかりやすく拗ねる廉は
私の彼氏だ。大学一回生のときバイト先で出会い
かれこれ2年半くらい付き合っている。

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