コーヒーを、ひとつ。 [ Sato Shori ]

珈琲 40 ページ40

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「どうだった？」



勝利におすすめされた映画は

私の大の苦手なホラー映画だった。




これが大好きって…どうかしてるんじゃないの…？





「…無理」




「えっ！ホラー苦手？？」




「私ほんとに苦手なの！！」




すると勝利の顔が近づいてくる




え、、なに…？？




見つめ合うこと3秒。


え…これってどういう…



「良かった、泣いてない」





そう言って少し大きな手で

私の頭を撫でた。




「嫌いって知らなかった。ごめんね。
あれだったらコメディーも観てく？」




申し訳なさそうな勝利を見てるとこっちまで申し訳なくなって。




「ううん、大丈夫だよ」



そう言って笑った。


すると勝利が

ふにゃって、目尻を下げて、笑ったから



私はまた、綿菓子の味を思い出すんだ。






「A何食べたい？」



映画館を出て、ぶらぶらと街を歩く。



「んー、、何があるんだろ…」



そう言ってる時に、
出店のたこ焼きをみつけた。



…久しぶりに食べたいかも





すると勝利が


「たこ焼き？買いに行こっか。」




って優しく笑った。



どうして？分かったんだろう。



もしかしてテレパシー…




「ずっと見てたからさ。そんな好きなの？」




あ、なんだ。そういうことか。




ちょっぴりガッカリしたけど

私の気持ちを汲み取ってくれる優しさにはやっぱりキュンとくる。




「久しぶりに食べたいなって。」



勝利は頷いて歩き始めた。

私はその後ろを少しずれて歩いた。





すると振り返って



「横においで」



と言った



嬉しくて堪らなくて

私は小走りで勝利のもとへ向かった。

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