コーヒーを、ひとつ。 [ Sato Shori ]

珈琲 30 ページ30

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なんで返信が無いか分からないまま、


また木曜日がやってきた。




「今日は佐藤さん来るかなぁ〜」





気のせいか真希ちゃん、メイク少し濃い気がする


可愛くしちゃってさ、、。




彼女いることなんて、知らないんだろうな。



結局今日も、勝利は来なかった。

私、避けられてたりするのかな？



ふと考えてみればキモかったのかな。






「はあ…」






その日のバイト終わり、休憩室で大きなため息をついてると



コトン、と隣に缶のココアが置かれた。


見上げると健人さんがいて



「Aちゃん元気だしなね、」




と、言った。



私が勝利のこと気づいたって知ってるのかな。


知ってるんだろうな




「…ありがとうございます」





「ん、あいつも大変だろうからさ、そんな、Aちゃんが落ち込まないで！」




「…はぁ。なんの慰めにもなってませんけどね、へへっ」




「そっか？ごめんごめん。

じゃあ気をつけて帰りなね。」




女の子なんだから、と付け加える



勝利なら、そんなキザなこと言えないんだろうな



もう随分会ってないな



会いたい、と心は思うのに



思えば思うほど



私の中の彼女像が膨らんで




パチンと弾けるのが痛いんだ。

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