コーヒーを、ひとつ。 [ Sato Shori ]

珈琲 19 ページ19

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「聡ちゃんは素直に褒めないけど

僕はAいつもよりももっと可愛いと思うよ」



大天使マリウス降臨です。



そうだよね？

いつもより少しだけスカート短くして、
髪も少し巻いて、ピンクのリップだって塗った。


慣れないマスカラも塗ってみたからかまつ毛が重い。




「聡ちゃんはさみしいんだよ？
Aが離れてく気がするんだ〜って言ってたもん」




「そうなの？」



「ちょマリウス、変な事言うなって！」




そのままギャーギャー叫びながら2人は合戦を始めたから


私はしれっとした顔して校門を出た。




聡だって可愛いとこあんじゃん。





カフェまでの道が遠いような近いような


胸が弾んで足取りも軽くなる。




ピロンと通知音が鳴り、

スマホを開くと



勝利さんからのメールで、


「着いたからいつもの席で待ってるね」


と、届いていた。





勝利さんが待ってる。



私を待ってる。


半年間、思い続けた人が


私とメールして、私のための時間を作ってくれてる




なんともないことかもしれないけれど

私にとっては幸せで


この上ないことだった。

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