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．
その知らせを聞いた私は
学校を飛び出して
神宮寺くんのいる病院へと向かった
初めて授業をサボってしまった
初めて先生に逆らって廊下を走ってしまった
閉まる校門を飛び越えてしまったし
信号も無視してしまった
神宮寺くんのことになると
途端に馬鹿になるらしく
浮つく心臓だけが
そんな私の味方だった。
．
病院の入口で立ち止まる
「、、神宮寺くん？？」
ベッドに横たわる彼……を想像していたのに
彼はケロッとした顔で。
だけど足をすこし引きずりながら、
病院から出てきた
驚いた顔で私を見つめる彼に 駆け寄る
「……え、事故に遭ったんじゃなかったの？
入院とかしなくて平気なの？？」
「あー、うん、」
そう言って神宮寺くんは笑った
恥ずかしそうなのと、泣きそうなのが混じっていたから
私は何も言えなくなった
急に止まったから心臓はバクバクしてて
ついでに血も上ってきてて
思わず神宮寺くんを抱きしめる
「Aちゃん…？」
私は恋したかった
人気者のあなたと「好き」とか言い合いっこして
手を繋いだり キスをしたり
騙されまいと思っていたはずなのに
結局、望んでいたのは私だったんだ
「心配した、ものすごく…、」
神宮寺くんは私の背中に手を回した
とんとん、と落ち着かせるように撫でる
優しい手のひらは
もう、私のものだ。
「だから走ってきてくれたの？
ものすごい前髪散ってる」
神宮寺くんは可笑しそうに笑って
私の前髪を直した
さぁ、夢が覚める前に
今世紀最大のストーリーを描こう
「神宮寺くんが好き」
私の声が溶ける前に
神宮寺くんは 私から離れて少し驚いた顔で私を見た
これは嘘じゃない
私はあなたに恋しているんだ
「俺も好きだよ」
それは嘘だろうと
私は別に構わない
立派なストーリーテラーに
私は騙されたって構わない
だからどうか、現実に。
．
．。
「神宮寺ー、食堂行こうぜ」
「おう、カレー食べよカレー」
5人ほどで固まって
今日も食堂へ向かうらしい彼を目で追って
私は机の上のノートを閉じ
ここら辺で、筆を置きたいと思う。
「このお話は全てフィクションです。」
．完
✁┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
※ストーリーテラーとは物語の書き手(作り手)という意味もあります。
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霞草(プロフ) - aimiさん» コメント頂けて嬉しいです。久しぶりになにか執筆したいなぁと思ってます！ (2021年10月10日 1時) (
レス) id: cf24c8e438 (このIDを非表示/違反報告)
aimi(プロフ) - あと、燃える心に駆け抜けろの続編が読みたいです。よろしくお願いいたします (2021年10月6日 20時) (レス) id: 7523aceb2d (このIDを非表示/違反報告)
aimi(プロフ) - 私、こういう感じの作品初めて見ました‼️また、書いていただけると嬉しいです‼️ (2021年10月6日 20時) (レス) @page37 id: 7523aceb2d (このIDを非表示/違反報告)
すばりてちゃん - あぁ、やっぱり作者様が紡ぐお話はエモすぎる、と心より思います。いつか私も、作者様のように人を動かせるような言葉を紡げたらと憧れました。陰ながら応援しております。 (2019年12月25日 12時) (レス) id: 9aa5aa9bdc (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 岸くんのストーリー好きです。続編で長編とかも書いてもらいたいです。また、廉くんのストーリーも、番外編でも良いので、ハッピーエンドになるようなお話が読んでみたいです。よろしくお願いします。 (2019年3月24日 7時) (レス) id: 5ca5d758c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霞草
| 作成日時：2019年3月19日 0時
