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．
「おい、ぼーっとすんなや」
先生は ちっ、と舌打ちをついて
赤ペンの頭を押した。
カチカチ、カチカチ、
出たり消えたり 芯の先っぽをじっと見つめてる。
変なの、子どもみたい。
「私が先生のこと好きって知ってた？」
私の発言に 先生の左手は止まった
赤ペンは尖ったまま
その先っぽを見つめる先生
「は、？」
は、って。
分かってなかったんなら
あんな不意打ち……
とんでもなく罪な男だ。
「お前、ほどほどにせえよ」
「ほどほどに、とは？
私はちゃんと廉先生が好……」
ガタン、と机の上のコップが倒れた
お母さんが気を利かせて持ってきてくれたオレンジジュースが
こぼれて プリントにじわじわと、染みを作る
「気安く 好きとか、言っちゃあかんよ」
先生はそう言い捨てて
部屋を出ていった。
ちゃっかり、時間通りに
終わっちゃってるあたりが先生ぽくて
やっぱり敵わない。
たった2つ上の私の先生。
．
。
「もう少しでセンターやけど
どうなん？緊張してるん？」
「まぁまぁ。
先生来てくれるよね？」
「アホか、行くわけないやろ」
だよね、知ってる。
プリントを丸めてぐちゃぐちゃにして
ゴミ箱に捨ててしまったように
「俺も暇じゃないんで。」
私の回答を手に取った。
あの日から 先生は私とちゃんと目も合わさない
もう、これっぽっちも近づけなくなってしまった
「彼女か〜？」
ふざけて言ったつもりでも
案外 しわくちゃの紙は役に立つらしく
「Aには関係ないやろ」
私の名前を呼んで
先生は眼鏡をかけた
丸つけするとき
最近かけるようになって
「なんで？」って聞いたら
ゲームのし過ぎで視力悪化、だと。
やっぱり子どもかよ。
「なら来てよ、最後だし。」
そう、センター試験が終わると
その2週間後には私立の一般入試があって
私の受験は そこで終了なんだ。
だから先生に習うのも
今日と、来週でおわり
センター試験の日に会いに来てくれるとしたら
それがほんとに最後になる
私が先生から卒業して
先生への恋にも さよならする日が来る
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霞草(プロフ) - aimiさん» コメント頂けて嬉しいです。久しぶりになにか執筆したいなぁと思ってます！ (2021年10月10日 1時) (
レス) id: cf24c8e438 (このIDを非表示/違反報告)
aimi(プロフ) - あと、燃える心に駆け抜けろの続編が読みたいです。よろしくお願いいたします (2021年10月6日 20時) (レス) id: 7523aceb2d (このIDを非表示/違反報告)
aimi(プロフ) - 私、こういう感じの作品初めて見ました‼️また、書いていただけると嬉しいです‼️ (2021年10月6日 20時) (レス) @page37 id: 7523aceb2d (このIDを非表示/違反報告)
すばりてちゃん - あぁ、やっぱり作者様が紡ぐお話はエモすぎる、と心より思います。いつか私も、作者様のように人を動かせるような言葉を紡げたらと憧れました。陰ながら応援しております。 (2019年12月25日 12時) (レス) id: 9aa5aa9bdc (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 岸くんのストーリー好きです。続編で長編とかも書いてもらいたいです。また、廉くんのストーリーも、番外編でも良いので、ハッピーエンドになるようなお話が読んでみたいです。よろしくお願いします。 (2019年3月24日 7時) (レス) id: 5ca5d758c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霞草
| 作成日時：2019年3月19日 0時
