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「じゃあここで、」



これでサヨナラか
そう思いながらドアに手をかけると
ふと、手が止まる



「え、なんで……」



マンションに入っていく
サトルさんと若い女の人
ふたりは腕を組んで
何やら親密そうに。




「Aさん…?」





私は思わず飛び出した
岸くんも戸惑いながら私の後ろをついてくる



サトルさんの背中を追うと
ロビーのドアが開く前に

サトルさんが気づいて振り返った





「……え、A?」



たじろぐサトルさんを睨みつける
その女に嫉妬とか、そういう問題じゃない。

今までの私の時間を
奪ってきたことに腹が立った




「なんで、お前……遅くなるんじゃ」




そこまで言って
岸くんに目を移した

分かりやすく顔色が変わる




「またお前か……
何度言ったら気が済む
俺の女に手を出すなって、」



「あんたにだけは言われたくねぇな」




岸くんの顔も 見たことないほどに
怒りに満ちて、今にも爆発しそうなほど。




「は、?お前に何が出来る
Aのこと幸せに出来るのは俺だ」


「じゃあその隣の人は?誰が幸せにするんだよ」


「こいつだって他の男のもので…」



女の人はサトルさんを見て言った




「クソジジイ」




そしてその女の人は
私と岸くんの隣を通りすぎ
マンションの外へと出ていく




岸くんは私の手を握って



「俺と逃げよっか、」



と、耳打ちをした
私は考えるまでもなく頷いていた


「おい、待て!A!!仕事どうなってもいいんだな?!」


よく言うよ、おっさん。
あんたの浮気がバレた方が
信用ガタ落ち、会社はどうなるんでしょうね



「倒産する前に
わたし、駆け落ちしますね」




その言葉に岸くんはにっ、と笑って
私の手を強く引いた


久しぶりに走った



きらきら、きらきら、
私は今 泳げる魚だ





トラックに飛び乗って彼は言った






「恋に落ちてみません?」



「はっ?それとこれとは話が別で…」


「だって駆け落ちってそういうことじゃん」







岸くんの左手は私の頭を支えるように
右手は私の頬をなぞって

優しくキスをする






もう少しで夜になる
暗くなってきた空に包まれて

久しぶりの恋が
ここでいま、生まれた気がした







.完

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設定タグ:King&Prince   
作品ジャンル:恋愛
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霞草(プロフ) - aimiさん» コメント頂けて嬉しいです。久しぶりになにか執筆したいなぁと思ってます! (2021年10月10日 1時) (レス) id: cf24c8e438 (このIDを非表示/違反報告)
aimi(プロフ) - あと、燃える心に駆け抜けろの続編が読みたいです。よろしくお願いいたします (2021年10月6日 20時) (レス) id: 7523aceb2d (このIDを非表示/違反報告)
aimi(プロフ) - 私、こういう感じの作品初めて見ました‼️また、書いていただけると嬉しいです‼️ (2021年10月6日 20時) (レス) @page37 id: 7523aceb2d (このIDを非表示/違反報告)
すばりてちゃん - あぁ、やっぱり作者様が紡ぐお話はエモすぎる、と心より思います。いつか私も、作者様のように人を動かせるような言葉を紡げたらと憧れました。陰ながら応援しております。 (2019年12月25日 12時) (レス) id: 9aa5aa9bdc (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 岸くんのストーリー好きです。続編で長編とかも書いてもらいたいです。また、廉くんのストーリーも、番外編でも良いので、ハッピーエンドになるようなお話が読んでみたいです。よろしくお願いします。 (2019年3月24日 7時) (レス) id: 5ca5d758c8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:霞草 | 作成日時:2019年3月19日 0時

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