20話 願いと決断 ページ22
〜リュウside〜
リュウ「サトル先生、先生は狼ですか？」
サトル「？！ち、違う。狼じゃないよ…。大丈夫、私は羊だから」
リュウ「…そう、ですか。なら良かった…。今は他に人はいないですよね」(キョロキョロ
サトル「ど、どうしたんだい？」
リュウ「…実は俺、狼なんですよ」
サトル「な、なに？！」
リュウ「あっ、大丈夫ですよ。俺は先生のこと殺したりしませんから」
サトル「ならどうして私に？」
リュウ「俺がサトル先生を信用·信頼してるからです。何よりもカスミとスミレの数少ない理解者だからです」
サトル「…私とあの子達以外の誰かを…殺すのかい？」
リュウ「俺は誰も殺しませんよ…」
サトル「でも、狼は羊を殺さないと処刑されてしまうんだよ？！」
リュウ「…俺だって死ぬのは嫌ですよ。でも、死にたくないのはみんな同じだから」
「それに俺、あいつらの前では"誇れるリュウ"でいたいんです。人を殺した俺はどうしようも出来ないから」
サトル「そんなこと言ってもあの子達はリュウ君に生きていていて欲しいはずだよ」
リュウ「先生、どうしよう…。俺は死にたくない！でも…誰も殺したくない！」
サトル「…リュウ君、実は私も狼なんだ」
リュウ「えっ？！でもさっき羊って…」
サトル「君が私に狼だと言ったからね…。私も本当のことを言おうと思ったんだ」
リュウ「…先生は誰も殺さないでください。俺が時間ギリギリになったら自白しますから。そうすれば先生は生きていられるはずです…」
サトル「しかし…」
リュウ「今ここで！俺とサトル先生が２人とも処刑されたら、あいつらがこの先無事に生き残っていけるとは思えないんです。…あいつらは幼い時に現実をわからされたから」
「スミレはガラスのハートだけど、母親のことを考え、何がなんでも生きて家に帰ろうと前に進める奴です。けど、限界がある」
「カスミは、大切な人の命をを奪おうとすると感情が爆発したり、生き残っても自分が悪くないのに責め続けるんです」
サトル「それじゃあ、尚更ダメじゃないか。私もリュウ君もやっぱり誰かを-」
リュウ「俺がっ、嫌なんですよ！」
「先生には迷惑をかけますけど、俺が死んだらカスミとスミレの傍にいてあげてください」
「サトル先生、先生にしか頼めないんです。だから、よろしくお願いします」
サトル「…分かったよ。リュウ君はそれでいいんだね？」
リュウ「はい。俺の覚悟は決まってます」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：レド | 作成日時：2023年3月6日 22時
