12話 探索1 ページ14
〜リュウside〜
ペアを組んで探索エリアを分担することになった。スミレはサトル先生とミホさん。 カスミはオサムさんとコウ君。 俺はユキナリ君とミサキちゃんとペアになった。
スミレは人見知りをするから、先生がいてくれてよかった。
−三階−
ミサキ「ここは…なんやろ、学校の教室みたいなところやね…」
ユキナリ「なんだか異質な空間だね…」
ミサキ「ほんまやね…。ちょっと不気味や…」
リュウ「この部屋、窓はあるけど全てふさがれてるっぽいな」
まあ、当然か…。
ユキナリ「窓から出るというのはとてもじゃないけど難しそうだね…」
ミサキ「そうやな…。それに、机の上に花が飾られてるね…」
「一体何やろか…？近くでよくみてみよか…？」
…最初からミサキちゃんは俺たちを誘導する発言が多いと感じるのは考え過ぎか？
ミサキ「ねぇ、これ…。机に花瓶が飾られてる」
リュウ「それだけじゃない。この机自体にひどい落書きがされてる」
ミサキ「なんや、あんまりいい気持ちせんなぁ…」
「あ、なにか引き出しに入ってる」
ユキナリ「寄せ書きされた色紙…？」
ミサキ「何が書いてあるんやろ…。うわ…」
ユキナリ「ユウヤくんへ
ユウヤくんが死んで、クラス全員とても悲しいです！今日はユウヤくんが死んだ記念パーティーをしたいと思います。 クラス一同より」
リュウ「このクラスの奴全員ヤバすぎだろ…」
ユキナリ「…これはひどいな。一体なんなんだ…」
ミサキ「ほんまやね…。ひどい」
「あ…。あそこ、見て…。黒板にも何か書かれてるみたい」
「羊たちへ。君たちは、本当の自分に気づいているか？」
ユキナリ「本当の自分？一体どういう意味なんだろう…？」
ミサキ「ウチらに何か伝えようとしているのかな…？」
本当の自分は己の欲と現実逃避していたこと、あるいは罪か…。う〜ん。けど、俺を含めカスミとスミレはだいたい理解してる。
ミサキ「とりあえず、この階は、他にも部屋があるから、そこも見てみようか…」
ユキナリ「そ、そうだね…」
ミサキ「ウチ、さき行ってるね…」
ユキナリ「うん。わかった」
−病室−
ミサキ「またここは広い部屋やねぇ」
リュウ「どうやら病室らしいね」
ユキナリ「ここの窓もふさがれてるみたいだね」
リュウ「！これは先生の…」
合流した時に先生に渡すか。二人とも気づいてないし…俺が持ってよ。
探索が終わり、俺らはリビングに戻った。
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作者名：レド | 作成日時：2023年3月6日 22時
