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またギィが指を鳴らすと不自由さが無くなった。
緊張が解け溜め息が出る。
『はぁ、つーかお迎え来た覚えないんですけど。』
ギィ「迎えに行ける場所にいろよ。勝手に変な空間作りやがって…。」
『あはは、ごめん。あっじゃあこれ渡しとくからワルプルギスの時は地面に叩き割って知らせてよ。』
僕はそう言って合金の部分を少し取りギィに渡した。
ギィ「あぁ、分かった。」
『じゃあまた〜』
にしてもギィは髪もそうだけどどこかパパラチアと似てて割られるのではと危機感に迫られる。
仕事も無事終わったし、一旦島に帰ろう。
____今頃は冬だろうな。
合金に身を包み転移する。
目を開けると景色はただ白く雪や氷が広がっている。
少し遠くから氷塊の出すけたたましい音と、それを砕く大きな衝撃音が聞こえてくる。
音が止むとこちらに向かって駆けてくる一人の足音が響く。
??「先生!おかえりなさい!!」
『ただいま、アンターク』
美しい青みがかった透明な髪を揺らしながら礼儀正しく姿勢を正すアンターク。
__あぁ、君はいつもかっこいいな
『変わりは無い?』
アンターク「それが…フォスが今年は珍しく起きています。」
『…今どこにいる?』
アンターク「フォスの硬度では氷山を割ることは出来ないので皆の寝室を任せています。」
『そうか、ありがとう。少し様子を見てくるよアンタークも少しは休んでね。』
アンターク「ありがとうございます!」
寝室に向かうと皆の寝相は酷くボルツの側でフォスが割れていた。
大方予想はできたがだいぶ粉々で驚いてしまった。
僕が固まっていると、フォスは気まずそうに挨拶をしてくれた。
フォス「あ、先生…おかえりなさい。」
『た、ただいま……取り敢えず治しに行こうか。』
フォス「はい。すみません…」
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