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．
「舞って……」
「わかってる、わかってるから」
そう言って紫耀くんは
痛むはずの手を動かし、私の手を握った
紫耀くんが想いを寄せていたのは舞さんなの？
ひとつ上のマネージャー
桜の花びらのように儚く美しい舞さん
紫耀くんにどれもが合致する
「ごめんなぁ……Aちゃん」
「なんで謝るの、？」
「俺、全部嘘ついてた。」
紫耀くんは浅はかな視線を送る
紫耀くんの全部なんて、今すぐに見せられるものじゃないはずなのに
彼は今、全てをさらけ出すような瞳で。
「さっき店出て、Aちゃんが廉と走ってくとこ見えた。あぁ、全部終わったなって思った。」
紫耀くんは目を閉じた
情景を思い浮かべるように
そして、その景色の中にはきっと
私じゃない誰かを重ねるように
「全部、廉への見せつけだよ」
「え、、？」
「俺はAちゃんのこと
ひとつも好きじゃない。」
紫耀くんは 優しい目をしていた
淡々と真実だけを述べる、お医者さんのように
紫耀くんの目には迷いがなかった。
「廉が焦ってるの見て面白がってたんだよ
廉が帰り道であそこと通るのも知ってたし、
廉が俺からAちゃんを取り返そうとしてるの、
面白がってたんだよ、」
「ほんとう……？」
先輩は頷いた。カバンの中の私が返したマスコットを指し、言った。
「それ、廉に返しといて。」
私がそのマスコットを握ると
先輩は、何も言わなくなった。
先輩、ごめんね、
私のせいだね。
「……先輩なんか、嫌いだ。」
目を合わせてくれない先輩に
心無い言葉を投げつけて
私は病室を飛び出した。
花柄のワンピース
先輩の笑顔と優しい目
履きなれないヒールの華奢な音
全部が全部
私の宝物だったのに
私が先輩にそうさせていた。
私のせいで、先輩は
人を騙すなどという大きな罪を犯したのだ。
ごめんね、先輩。
梅雨はあけていた。
もう雨は降ってくれない
私の涙はわかりやすく流れていく
おかしい。
こんな初恋はおかしい。
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かの(プロフ) - 続編是非お願いします。霞草さんとお話ししたいです！ (2020年1月10日 23時) (
レス) id: 500512ebdb (このIDを非表示/違反報告)
霞草(プロフ) - ららちゃんさん» コメントありがとうございます。ぜひ機会があれば描かせていただきたいです！ (2019年7月21日 15時) (レス) id: 402b5f83f6 (このIDを非表示/違反報告)
霞草(プロフ) - 名無し17256号さん» コメントありがとうございます！そんなふうに言っていただけて光栄です……これからもよろしくお願いします！ (2019年7月21日 15時) (レス) id: 402b5f83f6 (このIDを非表示/違反報告)
名無し17256号(プロフ) - その唇に花束を。をから入り、全て読んでみました。恋愛のお話なのに、ヒステリーな文が多く、読む手が止められないほど引き込まれる作品ばかりで、感動しています。 (2019年7月21日 7時) (レス) id: 8f3613c8e1 (このIDを非表示/違反報告)
ららちゃん(プロフ) - 最初の数ページ読み始めた時から、あぁわたし好みの大好きなお話だ！！ってなり、更新毎日楽しみでした！！めちゃめちゃ続きがきになるのぜ続編待っています！これからのお話はもちろん、助けたシーンの廉くんサイドもみたいです！！お願いします！(＞＜) (2019年7月19日 7時) (レス) id: 62e93500a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霞草
| 作成日時：2019年7月6日 22時
