HEART

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スタジオに着くとまだ涼介は来ていなかった。



よかった。




絶対気まずいもん。




｢よろしくお願いします！｣



いろんな人に挨拶してからメイクルームに行こうとすると後ろから声をかけられた。




山｢知念！｣



……。




｢……どうしたの？｣



山｢いや、昨日電話すぐ切ったから、心配になった｣




山｢大丈夫？｣




そう言って僕に笑いかけた。



眩しいくらいの笑顔で。




｢だ、大丈夫｣




それだけ言い残してすぐにメイクルームに入った。




メイクさん以下メ｢知念ちゃんじゃない！今日もよろしくね！｣



｢あ、お願いしまーす｣




メイクさんはいつものオネェさん、、むらちゃんだった。



顔なじみだからか、すごくほっとした。




メ｢じゃあ、髪あげて行くわね｣




いつも通り手際よく髪を結んで、メイクをし始めた。




もしかして、むらちゃんがいいアドバイスをくれるかも




そう思って思い切って聞いてみた。




｢むらちゃん、むらちゃんは男の人が好きなの？｣




メ｢どっ、どうしたのよ急に！｣




メ｢…………まあ、どっちも好きかしらね｣



｢そうなんだ｣




｢ね、もしもだよ、僕が絶対恋しちゃ行けない人に恋しちゃったらどう思う？｣




メ｢そうねー、応援するかな｣




応援……。




メ｢誰のことかは分からないけど、知念ちゃんが好きになった人ならいいと思うわ｣




そう言って全部を見透かしたかのように微笑んだ。




むらちゃんは凄いな。




自信をもてて。




｢ありがとう｣




メ｢お役になってるのなら嬉しいわ｣




そのあとはむらちゃんと世間話をした。

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