9 主人と吸血鬼の関係 ページ9
*
荷物を運び終えると大きなテーブルと椅子のある場所に
案内されて目の前に綺麗なお菓子と紅茶が置かれた。
甘い香りは自然と心を落ち着かせる。
「よろしければお召し上がり下さい」
「あ、ありがとうございます…」
高価そうなカップに入った紅茶を少し口に含めば甘い味が広がる。
紅茶はたまに飲むがこんなに美味しいのは初めて飲んだ。
「お嬢様」
「はっはい…!」
呼ばれ慣れていない呼び方なので返事にも少々戸惑う。
お嬢様、なんて柄でもないし。
私はカップを置いて顔を上げると執事さんは妙に深刻そうな顔をしていた。
雰囲気が明らかに先ほどまでとは違うことを察知し
顔を強張らせて彼の言葉を待つ。
「主人…つまりお嬢様と俺、吸血鬼の関係についてお話したいのですが」
「はい…」
「吸血鬼執事は主人に仕えるためだけに生まれたも同然の存在です。
我々吸血鬼執事は主人を失うと…この世に存在する価値が無い。」
悲しそうな顔で彼はそう言った。
存在価値が無い、それは私が何度も考えたことと同じ。
「そういう運命の元に生まれているのが俺達です」
「そんな……」
足掻いたって何も変わらない運命。
努力しても何も変えられないというのは本当に辛いことだ。
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かすみ@流星隊P(プロフ) - しらす&塩キャラさん» コメントありがとうございます!赤葦さんの魅力を伝えるべく書いているのでそう言っていただけて本当に嬉しいです( ; ; )他の作品も全力を尽くさせていただきます…!お言葉たいへん励みになりましたありがとうございます!^_^ (2017年12月11日 12時) (レス) id: a83f075925 (このIDを非表示/違反報告)
しらす&塩キャラ - とても、読みやすく、面白かったです!赤葦京治様が凄くかっこよかったです!魅力が物凄く伝わってきました!!他の作品も頑張って下さい!!(^^) (2017年12月11日 1時) (レス) id: 67aee787a0 (このIDを非表示/違反報告)
かすみ@流星隊P(プロフ) - 恋幸*さん» 本当ですか!?お褒めに預かり光栄です><文才なんて無いですけどそう思って下さっているなら本当に嬉しいです!ありがとうございます^^ご期待に添えられるように一生懸命頑張ります! (2016年9月10日 12時) (レス) id: 5336b18439 (このIDを非表示/違反報告)
恋幸*(プロフ) - とてもとてもとてもとても面白かった!!!赤葦さんの魅力が存分に伝わってきました!かっこいい!文才もあって読みやすいし、本当にすごいです!これからも頑張ってください!応援しています! (2016年9月10日 11時) (レス) id: d95ff2d2d5 (このIDを非表示/違反報告)
かすみ@流星隊P(プロフ) - K.かんなさん» 続きが気になって頂けるなんて誠に光栄です^^赤葦さんらしくかっこよく書けていれば私は幸せです!更新頑張りますね^^ありがとうございます! (2016年9月7日 21時) (レス) id: 5336b18439 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かすみ | 作成日時:2016年8月1日 22時