【ハイキュー】 ご奉仕、吸血鬼執事 【赤葦京治】

27　余韻と蟠り ページ27

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花火大会の出店も落ち着いてきて
騒がしさの余韻を残しつつ会場は少しずつ帰る人が増えてきた。
私は赤葦さんに腕を引かれたまま屋敷へと戻る道を歩く。



無言のまま歩くこと数分。
私はこのままでは駄目な気がして口を開いた。




「赤葦さん…」

「ごめん」




私の言葉を遮るように赤葦さんは謝りだした。
戸惑いつつも何に対して謝っているのか頭の中で冷静に考えてみる。




「赤葦さんに謝られるようなことされた覚え
　私には無いよ…赤葦さんは一体、何に対して謝ってるの…？」




信じる、なんて私が言うのは無責任だったかもしれない。
信じてもらえたことが無い必要とされたことが無い私が誰かを
必要として信じてあげようなんて甘かったのかな。





「Aさんにまだ言って無かった事があるんだ…」

「言ってなかった、こと…？」




深刻なその表情に胸騒ぎがする。
しかし、この先に待ってる辛いことを乗り越えるためにも今は我慢して
現実を受け入れるしかないのだ。




「辛い運命っていうのは…間違ってないかもしれない」

「え？」




辛い運命、それは初代主人が怪しく笑いながら言っていたこと。
単に私を脅しているだけだと思っていた言葉は
赤葦さんから聞くと何とも言えない気分に襲われる。



俯いていた顔を上げれば赤葦さんは若干躊躇いがちに目を伏せていた。
赤葦さんだって、不安なんだ＿＿＿＿＿＿＿＿




「赤葦さんの言ったことで私、赤葦さんを嫌いになったり
　しないっていう自信あるよ…？だからお願い。話して欲しい」




この胸に残った微かな希望と貴方を信じるという大きな気持ち。
それだけは自分を信じてあげたいの。

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