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懐かしい夢を見た。
それは私が小学生3年になった頃だった。
韓国語も周りのみんなと同じように話せるようになって、
友達もいて、両親も仕事が落ち着いてきて、沢山話してくれて。
そんな中いつも自分の幸せを邪魔してくるのは自分の目だった。
何度願ったことだろう。普通の目であったらって。
何度泣きはらしたことだろう。
気づくと見慣れた部屋の中にいた。
実家の私の部屋の中。
後ろを振り返ると、小さい頃の自分がいた。
苦しそうに眉を歪めて涙を流す姿を見て、すぐに今日は通院の日だったのだと分かった。
私は部屋で大きなアルバムを必死にめくる少女に近づき、そっと抱きしめる。
「辛いね...。あなたはとても頑張ってるよ。」
少女は驚いた様子で一瞬肩を揺らしたが、やがて安心したように力が抜けて私に身を預けて今度は声を上げて泣いた。
腕の中で震える小さな体を優しく抱きしめる。
気が付くといつの間にか少女は私の腕にはいなくなっていて、目の前は白い光に包まれていた。
光の先に少女が立っている。
「もう、大丈夫なの？」
光の先へと一歩だけ足を踏み出すと、光が強くなって思わず目を閉じた。
一歩下がると元の光の強さになったので、その場所より前には行かないことにした。
私の問いかけに少女はゆっくりと頷き、大人びた表情でほほ笑むと私に歩み寄る。
『つらいよね。...おねえさんが、すごくすごくがんばってるのしってるの。』
私の腰に手を腕いっぱいに伸ばして、今度は少女が私を抱きしめた。
『だいじょうぶだよ、ぜんぶだいじょうぶになるから...。もうすこしだけがんばって。』
頬に一筋の涙が伝ってゆく感覚がした。
なんだろう。安心するような、悲しいような。
腰の腕がゆっくりと離れた時、ふと少女の顔を見つめた。
私にとても似ている。...けど私じゃない。
あなたは誰...
そう思って声にしようとした時、夢は途切れ、すっと目が覚めた。
私は机にうつ伏せになっていて、腕の下には数式の書かれたノートがあった。
不思議な感覚に包まれたまま私は腕の中で夢の内容を思い起こす。
目が覚める一瞬、その少女は光に包まれて、とても可愛らしく微笑んでいるように見えた。
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続く (更新停止中)
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作者名：かみﾅ | 作成日時：2021年10月4日 6時
