chapter:43 ページ43
キヨはレトの言葉にグッと言葉を飲み込んだ。
レ:「キヨ君、俺嘘嫌いやねん。本当の気持ち、教えてくれへん?」
キ:「ほ、本当の気持ちって何だよ…」
レトはキヨに向かって、ビシッと人差し指でさす。
レ:「キヨ君、長谷川さんの事どう思ってんの?」
キ:「ど、どうって…」
レトは何も答えず、ジッとキヨを見つめる。キヨは黙ったまま、レトから目線を外す。
レ:「……好きなん?長谷川さんの事…」
キ:「……俺は、」
キヨは俯きながら返答をしようとすると、地面に何か落ちてるのを見付ける。
キ:「ん?何だこれ…」
キヨは落ちている物を拾い上げる。
レ:「ちょっキヨ君…話変えるんはなしやで」
レトははぁ…とため息をつくと、キヨは落ちている物を見て目を見開く。
レ:「……キヨ君?」
キ:「嘘だろ…何でアイツがこれを…」
キヨは動揺しているのか、持っている手を震わせる。
レ:「キヨ君、それ何なん?!俺にも見せて!」
キヨの態度に気付いたレトは、キヨの持っている物を奪い取る。
レ:「……」
キヨから奪った物は古い写真で、2人の男の子と1人の女の子が映っていた。
レ:「これ……」
キ:「……それは小さい頃の俺達だ。そして…隣に映っているのがAだ…」
キヨは呟くようにレトに告げる。
レ:「Aちゃん…?!でも何でここにその写真が…」
キ:「やっぱり長谷川が、Aだっていうのかよ…!!」
レ:「長谷川さんが、Aちゃん…?」
レトは写真に写っているAをただただ見つめていた。
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次の日になり、レトは退院の準備をしていた。
レトの母:「玲汰、忘れ物はない?」
レ:「………」
レトの母:「…まったく、朝から心ここにあらずって感じね。一体どうしたのよ」
レトの母はレトの様子を見て、はぁとため息をつく。
レ:「あのさ、Aちゃんって憶えてる…?」
レトの母:「!!!どうしてその名前を…?」
母親がレトの言葉で驚きの表情を浮かべる。
レ:「俺、少しずつ思い出してきたんや…失われた記憶、Aちゃんの記憶」
レトはそう言って、母親に写真を見せる。
レ:「Aちゃんと俺、写真撮ってたんやね。どうして家に無かったんや?」
レトの母:「………」
レ:「母さん…答えてや」
レトの母は一息ついた後、静かに答える。
レトの母:「……あなたが記憶を失ったあの日、お母さんは拓海君のお母さんから連絡があって病院へ向かったの。玲汰が事故に遭ったって聞いて本当に怖かった…」
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香澄(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます!!とても嬉しく拝見しました(*^^*)あいさんに気に入って頂けて、本当に本当に嬉しく思ってます!他の作品も是非よろしくお願いします(*´ω`*) (2016年4月3日 16時) (レス) id: fe97a84109 (このIDを非表示/違反報告)
あい - 完成度が高くてとてもびっくりしました!終わり方なんかも魅力的で私好みでした(*´ヮ`*)次の作品も楽しみにしています! (2016年3月30日 17時) (レス) id: 6587901ccd (このIDを非表示/違反報告)
香澄(プロフ) - 杏さん» コメントありがとうございます!最後まで見て下さってありがとうございます(*^^*)これからも頑張りますので、是非これからも読んで頂けると嬉しいです♪(*´▽`*) (2016年1月11日 22時) (レス) id: 84a4fe9ab3 (このIDを非表示/違反報告)
杏 - 一気に読んでしまいました!めちゃくちゃ面白かったです(*^^*) (2016年1月10日 19時) (レス) id: 06b9bb2462 (このIDを非表示/違反報告)
香澄(プロフ) - 林檎さん» コメントありがとうございます!初めまして林檎さん(*^^*)キヨさんとレトさんと同じように泣いてしまったと聞いて、本当に嬉しく思います(*^^*)キミカレを読んで頂いて、本当に本当にありがとうございます(*^-^*) (2015年11月23日 23時) (レス) id: fe97a84109 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:香澄 | 作成日時:2015年9月24日 0時