chapter:32 ページ32
今まで黙っていたAはキヨの前に座る。
キ:「!!な、なんだよ」
『……』
キ:「……俺、ぜってー試合出るから」
レ:「キヨ君!サッカー続けられへんようになったら、どうすんねん!」
キ:「……そうなったとしても、俺はこの試合負けられねえんだよ!」
キヨはベンチに座りながら、拳をベンチにぶつける。
少し静寂があった後、Aが口を開く。
『20分』
キ:「?」
レ:「長谷川さん…?」
『20分で逆転出来る?』
キ:「は?お前何言って…」
『答えて、出来るの?出来ないの?』
Aは真剣な瞳でキヨを見つめる。
キ:「……出来るとか出来ねえとかじゃねえ。やるんだよ、俺が」
『……分かった』
キヨの真剣な言葉を聞いたAは、手早く処置を行う。
部:「す、すげえ…」
レ:「長谷川さん、手際ええな…」
キ:「……」
周りにいた人はAの処置をただ見てるしかなかった。
『……応急処置だから、大体20分が限度。痛み止めの湿布だから、激しい動きは正直しないで欲しい』
Aはキヨに伝える。
部:「よし、俺達が何とかパスをキヨに繋ぐ!キヨは確実に点を入れる事だけ考えろ」
チームレギュラー2:「そうですね…キヨ君をマークしてる人は僕に任せてください」
チームレギュラー3:「俺はキヨをカバーするぜ。そんくらいしか出来ねえけどさ」
キ:「部長…先輩達…」
レ:「…止めても無駄みたいやね。キヨ君は一度決めたら絶対曲げへんもんな」
レトは呆れながら、フッと笑う。
レ:「必ず20分の間に点決めてこいよ」
レトはキヨに向かって拳を作る。
キ:「おう」
キヨも拳を作って、レトの拳にコツンとぶつける。
部:「よし、お前ら!行くぞ!!」
部長の掛け声でレギュラーと部長、キヨはグラウンドへと向かう。
『キヨくん、痛みはさっきより和らいでると思うけど治ったわけじゃないから、絶対に無理しないでね』
Aはキヨの前に立つ。
キ:「……あぁ」
キヨはそう言ってAを通り過ぎろうとするが、Aの耳元で立ち止まる。
キ:「サンキュ、マジ助かった。ぜってー勝つから、そこで見てろよ」
Aにしか聞こえないくらい小さい声でキヨは呟き、グラウンドへと向かった。
『…!』
レ:「それにしても、長谷川さんの応急処置の手際さが凄かったわ…」
『うん…昔よく手当してたから…』
レ:「手当てしてた?」
『えっと…昔よく怪我してたから、それで手際良くなったのかも』
テレたように笑いながら答えるA。
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香澄(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます!!とても嬉しく拝見しました(*^^*)あいさんに気に入って頂けて、本当に本当に嬉しく思ってます!他の作品も是非よろしくお願いします(*´ω`*) (2016年4月3日 16時) (レス) id: fe97a84109 (このIDを非表示/違反報告)
あい - 完成度が高くてとてもびっくりしました!終わり方なんかも魅力的で私好みでした(*´ヮ`*)次の作品も楽しみにしています! (2016年3月30日 17時) (レス) id: 6587901ccd (このIDを非表示/違反報告)
香澄(プロフ) - 杏さん» コメントありがとうございます!最後まで見て下さってありがとうございます(*^^*)これからも頑張りますので、是非これからも読んで頂けると嬉しいです♪(*´▽`*) (2016年1月11日 22時) (レス) id: 84a4fe9ab3 (このIDを非表示/違反報告)
杏 - 一気に読んでしまいました!めちゃくちゃ面白かったです(*^^*) (2016年1月10日 19時) (レス) id: 06b9bb2462 (このIDを非表示/違反報告)
香澄(プロフ) - 林檎さん» コメントありがとうございます!初めまして林檎さん(*^^*)キヨさんとレトさんと同じように泣いてしまったと聞いて、本当に嬉しく思います(*^^*)キミカレを読んで頂いて、本当に本当にありがとうございます(*^-^*) (2015年11月23日 23時) (レス) id: fe97a84109 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:香澄 | 作成日時:2015年9月24日 0時