chapter:31 ページ31
静かに2人の間に時が過ぎている。
『レトくん…』
レ:「……」
(レトくんから伝わる体温が…熱い)
Aはレトの手を一瞬見つめた後、レトを見つめる。
『…うん、わかった』
レ:「ありがとう、長谷川さん」
レトはAを見て、ニッコリと笑う。
レ:「いつでもキヨ君の手当てが出来るよう、行こうか!」
レトはそう言って、Aの手を握る。
『っ…うん』
Aもレトの手を握り、2人は顔を見合わせて笑い合い、保健室を後にしたのだった。
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レトとAがグラウンドに戻ると、試合は1−1と同点を迎えていた。
レ:「俺達が見てない間に同点になってる」
『でも…キヨくん、相当無理してるみたい…』
Aがそう言い、レトはキヨを見ると、キヨは先程よりも疲弊していた。
レ:「…っ!!」
キヨは力なく倒れ、部長やチームレギュラーはキヨの元へと駆け寄る。
部:「キヨ!!!」
レ:「長谷川さん!行こう!」
『うん!!』
レトとAはベンチの方へと走り、部長はキヨをおぶってベンチへと向かった。
部:「キヨ!!大丈夫か?!」
キ:「っ…て…!!」
キヨは右足を手で押さえながら、苦痛な表情を浮かべる。
チームレギュラー2:「足…?」
レ:「キヨ君!!」
部:「お前ら…ここはレギュラー以外立ち入り禁止だぞ!」
『ごめんなさい!でもキヨくん、足を怪我しているんです!結構前から足を気にしていたので、限界が来たんだと思います』
レトはキヨの靴を脱がし靴下を下げると、キヨの右足首は赤く腫れ上がっていた。
部:「!!これは…!!!」
チームレギュラー3:「まさか…カットされたあの時から、足に怪我を負っていたんだな…!!」
レ:「キヨ君、これ以上はもう試合出たらあかん」
キ:「レト…俺は試合には出る、いくらお前に言われても俺は出る」
部:「キヨ、何言ってんだよ!お前この足の痛み尋常じゃねえだろ!これ以上続けたら、サッカー続けられなくなるかも知れないんだぞ!」
試合に出ると聞かないキヨに部長は制止する。
キ:「でも俺は…!」
レ:「キヨ君、俺との約束はええんよ…キヨ君はもっと自分の身体大事にして」
キ:「えっ?」
キヨはレトの言葉を聞いて、ピタッと止まる。
レ:「キヨ君?」
キ:「い、いや!俺は絶対に勝つ!!レトの約束ってーのもあるけど、このまま逃げるなんて俺が嫌なの!」
部:「お前…ガキみてえなワガママ言うなよ…」
部長はキヨの言葉を聞いて、ハァとため息をつく。
『……』
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香澄(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます!!とても嬉しく拝見しました(*^^*)あいさんに気に入って頂けて、本当に本当に嬉しく思ってます!他の作品も是非よろしくお願いします(*´ω`*) (2016年4月3日 16時) (レス) id: fe97a84109 (このIDを非表示/違反報告)
あい - 完成度が高くてとてもびっくりしました!終わり方なんかも魅力的で私好みでした(*´ヮ`*)次の作品も楽しみにしています! (2016年3月30日 17時) (レス) id: 6587901ccd (このIDを非表示/違反報告)
香澄(プロフ) - 杏さん» コメントありがとうございます!最後まで見て下さってありがとうございます(*^^*)これからも頑張りますので、是非これからも読んで頂けると嬉しいです♪(*´▽`*) (2016年1月11日 22時) (レス) id: 84a4fe9ab3 (このIDを非表示/違反報告)
杏 - 一気に読んでしまいました!めちゃくちゃ面白かったです(*^^*) (2016年1月10日 19時) (レス) id: 06b9bb2462 (このIDを非表示/違反報告)
香澄(プロフ) - 林檎さん» コメントありがとうございます!初めまして林檎さん(*^^*)キヨさんとレトさんと同じように泣いてしまったと聞いて、本当に嬉しく思います(*^^*)キミカレを読んで頂いて、本当に本当にありがとうございます(*^-^*) (2015年11月23日 23時) (レス) id: fe97a84109 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:香澄 | 作成日時:2015年9月24日 0時