キミと私と不器用なカレ【レトルト/キヨ】

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後半戦が開始された。キヨはボールを巧みに操りながら、相手のゴールへと向かう。

キ:「っ…！！」

キヨの前に対戦校の男2がボールをカットしに現れ、キヨはカットの際に足を蹴られボールを取られてしまう。

対戦校の男2:「そんな調子じゃ、お前から簡単にボール取れるわ」

キ:「……チッ」

部:「キヨ、どんまい！」

部長はキヨの背中を叩き、ディフェンスに回った。


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レ:「キヨ君…大分疲れてるみたいやな。動きが鈍くなってる…」

『うぅん、違うよ』

レトはそう言うと、隣にいたAは首を横に振る。

レ:「え？どういう事なん？」

『キヨくん、カットされる度に鈍くなっていってる…多分足痛むんじゃないかな…』

Aはキヨの動きを見て、心配そうに答える。

レ:「もしかして、挨拶の時の腹いせ？」

『分からないけど…対戦校の人、キヨくんに怒ってたみたいだから』

レ:「無茶せえへんとええけど…負けず嫌いやしな…」

『レトくん、保健室に行って救急箱持ってくるね！後半戦始まったばかりだし、万が一って事もあるかも知れないから…』

レ:「長谷川さん、俺も一緒に行くで！」

レトとAは急いで保健室へと走った。



キヨはパスをして回ったボールを受け取り、相手のゴール目がけてシュートをする。

キ:「って…！！！！」

右足首に激痛が走ったキヨは、シュートが上手く決まらず相手にボールを取られてしまう。

チームレギュラー2:「キヨ君！！大丈夫ですか？！」

キ:「すんません！行けます！」

キヨはそう言って、すぐさまボールを追い掛ける。

キ:(チッ…後半戦までもてよ！この試合、負けられねえんだから…！！)


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保健室に着くと、レトとAは救急箱を探していた。


レ:「保健の先生、おらへんのか」

『早く救急箱持って行かないと…』

レ:「包帯と湿布は必要やから…っと」

レトは包帯を取ろうとするが、落としてしまう。

レ:「あー…やってもおた。早く巻かへんと」

『レトくん、大丈夫？？』

Aもしゃがみ込んで、包帯を取ろうとするとレトの手に触れる。

レ:「『あっ』」

『ご、ゴメンね』

Aは手を引っ込めようとするが、レトはその手を掴む。

『！』

レ:「……長谷川さん、俺」

レトの真剣な瞳にAはドキッとして、見つめ返す。

『レト、くん…？』

レ:「後で時間あらへんかな…？話したい事、あるんよ…」

『話したい事って…？』

レ:「お願い」

レトはジッとAを見つめていた。

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