chapter:27 ページ27
月日が流れ、いよいよサッカーの試合当日の日。
レ:「いよいよ、試合当日やね…」
キ:「あぁ」
レ:「確か、対戦相手って前回準優勝した学校だっけ?」
キ:「あぁ」
レ:「どんな試合になるんやろ、気になるな…」
キ:「あぁ」
上の空な返事のキヨに、レトはジトーッとキヨを見る。
レ:「……キヨ君って、バカなん?」
キ:「あぁ………ってバカって何だよ!」
レトの問いに怒るキヨ。
レ:「ちゃんと聞いてたんやね」
キ:「お前、本当時々腹立つよな」
レトとキヨは対戦相手が来るまで、ベンチに座っていた。
レ:「緊張してるん?」
キ:「まー…ちったぁな」
キヨは靴紐を結びなおしながら答える。
レ:「“試合!!ぜってー勝ってやっから、その目に焼き付けとけよ!”」
キ:「!!」
レトはキヨの真似をして話すと、キヨは真っ赤にしてポカッとレトの頭を叩く。
レ:「いたぁ!!そう言ったんキヨ君やん!」
キ:「うっせ!!」
『あっ!2人共いた!』
レ:「長谷川さん、ここやっ…っ…!」
レトはAの声を聞いて振り返ると、固まってしまう。
キ:「!」
Aはチアのユニホームに身を包んでいて、走りながらレト達の方へ走ってきた。
レ:「長谷川さん、チア姿…めっちゃ可愛いな…」
『そ、そうかな…?スカートこんなに短いの穿いた事なくて…レトくんの応援団長姿もやっぱりカッコいい!』
レ:「あ、ありがと…」
『キヨくんのユニホームもカッコいいね!練習試合の時のユニホームとは別なんだね』
キ:「……俺は何着たって似合うっつーの」
キヨはそう言ってベンチから腰を上げ、自分の鞄からボロボロになっているお守りらしき物を手に取る。
『キヨくん、それは?』
キ:「………」
キヨはAの問いに答えず、目をつぶってお守りを握りしめる。
レ:「それ……」
キ:「……よし」
キヨは目を開けて、再び鞄にお守りをしまう。
部:「キヨー!対戦校が到着したから挨拶行くぞー!」
部長はそう言うと、キヨは頷いて部長の後をついて行った。
『レトくん、キヨくんの持ってたお守りは…?』
レ:「俺が昔、キヨくんにお守り作ってあげたんだ」
『昔って…レトくん、あれから何か思い出したの??』
レ:「俺が事故に遭った後の話やから覚えてるんよ。キヨ君、まだ持ってたんやな」
レトは嬉しそうにニッコリ笑う。
『レトくんの想いが詰まった大切なお守りなんだね…』
レ:「そう言われると凄い恥ずかしいわ…」
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香澄(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます!!とても嬉しく拝見しました(*^^*)あいさんに気に入って頂けて、本当に本当に嬉しく思ってます!他の作品も是非よろしくお願いします(*´ω`*) (2016年4月3日 16時) (レス) id: fe97a84109 (このIDを非表示/違反報告)
あい - 完成度が高くてとてもびっくりしました!終わり方なんかも魅力的で私好みでした(*´ヮ`*)次の作品も楽しみにしています! (2016年3月30日 17時) (レス) id: 6587901ccd (このIDを非表示/違反報告)
香澄(プロフ) - 杏さん» コメントありがとうございます!最後まで見て下さってありがとうございます(*^^*)これからも頑張りますので、是非これからも読んで頂けると嬉しいです♪(*´▽`*) (2016年1月11日 22時) (レス) id: 84a4fe9ab3 (このIDを非表示/違反報告)
杏 - 一気に読んでしまいました!めちゃくちゃ面白かったです(*^^*) (2016年1月10日 19時) (レス) id: 06b9bb2462 (このIDを非表示/違反報告)
香澄(プロフ) - 林檎さん» コメントありがとうございます!初めまして林檎さん(*^^*)キヨさんとレトさんと同じように泣いてしまったと聞いて、本当に嬉しく思います(*^^*)キミカレを読んで頂いて、本当に本当にありがとうございます(*^-^*) (2015年11月23日 23時) (レス) id: fe97a84109 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:香澄 | 作成日時:2015年9月24日 0時