chapter:3 ページ3
微かに覚えてる事だけど、鮮明に思い出す事が出来ない。
思い出したいのに、心の何処かで邪魔をしている。
“それ以上思い出すな”と忠告をしているように―――
キ:「おーい、レト？聞いてんのか、おーい！！！」
レ:「！」
ボーッとしているレトに、キヨはレトの顔の前で手を左右に振る。
レ:「Σあっ、ゴメンゴメン！ボーッとしてたわ」
キ:「ったく、何してんだよー。レトが小さい頃の話を聞かせろって言うから話したのに」
レトとキヨは現在高校2年生。2人は同じクラスになり、キヨはレトの机の前の席をレトに向けて座る。
レ:「ほんまにゴメンって、キヨ君」
キ:「で？何か思い出したの？」
レ:「……ゴメン」
レトは小さく首を振る。
キ:「そっか」
レトは小さい頃に事故に遭ってしまい、そのせいなのか小さい頃の記憶だけスッポリ抜け落ちてしまっていた。
キ:「何度話しても、やっぱり思い出せねえんだな」
レ:「時間が経てば自然と思い出せるんだろうって思ってたんやけどね。いつも思ってたんやけど、何でいつもこの話なん？他にも思い出位あるでしょ？」
キ:「…実は俺もあんまり小さい頃の事思い出せねえんだよな。ただこの話は、レトがうるさい位にいつも俺に話してたから、自然と覚えたっていうか…」
キヨは頭をガシガシと乱暴にかく。
レ:「俺が病院で気付いた時、キヨ君おったもんね。あの時今にも泣きそうな顔してたわ」
キ:「そこは思い出さなくてもいいだろ！それに…大事な友達が事故に遭ったんだから、心配するのは当然じゃん！」
アハハと笑うレトに、キヨは顔をプイッと逸らした。
キ:「あのさ」
キヨは顔をレトの方に向かないまま、話をし出す。
キ:「無理に思い出そうとしなくても良いんじゃねえの？別に思い出せないからって、レトが変わる訳じゃないんだしさ。要は今を楽しめって事！」
レ:「……せやね」
キヨはニカッと笑うと、レトは少し考えながらもニッコリ笑う。
授業の担任が教室へ入ると、キヨは自分の席へと戻っていく。
レ:(キヨくん、ありがとう。何となくやけど、俺は過去を思い出さなきゃいけへん気がする)
レトは青空を見ながら思い耽っていた。
レ:(キヨくんの話に出てくるAちゃん…あの子がいれば、俺の記憶思い出せるんかな…？)
***********
読んで下さった方、ありがとうございます！！(*'ω'*)
Aさんが全然出てなくてすみません(;_:)
そしてここから現在の話になります。
香澄
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香澄(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます！！とても嬉しく拝見しました(*^^*)あいさんに気に入って頂けて、本当に本当に嬉しく思ってます！他の作品も是非よろしくお願いします(*´ω｀*) (2016年4月3日 16時) (
レス) id: fe97a84109 (このIDを非表示/違反報告)
あい - 完成度が高くてとてもびっくりしました！終わり方なんかも魅力的で私好みでした(*´ヮ`*)次の作品も楽しみにしています！ (2016年3月30日 17時) (レス) id: 6587901ccd (このIDを非表示/違反報告)
香澄(プロフ) - 杏さん» コメントありがとうございます！最後まで見て下さってありがとうございます(*^^*)これからも頑張りますので、是非これからも読んで頂けると嬉しいです♪(*´▽｀*) (2016年1月11日 22時) (レス) id: 84a4fe9ab3 (このIDを非表示/違反報告)
杏 - 一気に読んでしまいました！めちゃくちゃ面白かったです(*^^*) (2016年1月10日 19時) (レス) id: 06b9bb2462 (このIDを非表示/違反報告)
香澄(プロフ) - 林檎さん» コメントありがとうございます！初めまして林檎さん(*^^*)キヨさんとレトさんと同じように泣いてしまったと聞いて、本当に嬉しく思います(*^^*)キミカレを読んで頂いて、本当に本当にありがとうございます(*^-^*) (2015年11月23日 23時) (レス) id: fe97a84109 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：香澄 | 作成日時：2015年9月24日 0時
