chapter:16 ページ16
レ:「キ、キヨ君!!ほんま単刀直入やな!物事には順序があるやろ」
キ:「俺は回りくどい事は嫌いだし、手っ取り早く聞いた方が良いだろ」
キヨは真面目な顔をして言うので、レトは言葉を返せなかった。
キ:「で、どうなんだよ。あんのかねえのか」
『………』
キヨの言葉にAは口を開かない。
レ:「長谷川さん、教えて欲しいんや。俺達小さい頃にAちゃんって言う女の子と一緒におったんやけど……俺は昔交通事故に遭ってその記憶だけが思い出せへんのや。長谷川さんの名前とAちゃんの名前が一緒やから、もしかしたらって思て……」
キ:「……ただ、名前が一緒っていうだけで、確証は全くねえけどな。でも、お前があのAなら、聞きてえ事が沢山あんだよ」
『……だから、“確認”したの?』
Aはキヨを見て言い、レトは首を傾げる。
レ:「確認?」
キ:「………」
キヨはAの質問には答えず、ジッとAを見る。そしてAはようやく口を開く。
『…私は小さい頃、ここの街にはいなかった。レトくんもキヨくんも学校で会ったのが初めて』
レ・キ:「「!」」
Aが昔にレト達が出逢ったAちゃんじゃないと否定した。
レ:「…そっか…」
キ:「んな事ある訳ねえだろ!お前はAだ!初めてお前を見た時からずっと同一人物だって確信してたんだからなっ…!!」
キヨはAの両腕を掴んで揺する。
レ:「キヨ君!」
レトはキヨの手を離させる。
『同じ名前で似たような人なんて、沢山いるはずだよ。隠したとしても、理由がないよ』
キ:「…」
レ:「…長谷川さん、急にごめんな。答えてくれてホンマにありがとう」
『うぅん、私も力になれなくてごめんなさい』
キ:「……最後に一つだけ、答えろ」
キヨはAを見る。
『?』
キ:「何でここにいたんだよ」
レ:「キヨ君?」
『散歩してて息抜きに、ここで休んでいただけだよ』
キ:「じゃあ、ピンポイントにここだけ見る理由は何なんだよ?」
レ:「どういう事や?」
キヨはAが自分達が声を掛ける前まで見つめていた場所に歩き出す。
キ:「俺、レトん家行く前にお前がここにいるのを見てた。でも、お前はずっとこの場所だけを見つめてた。俺達が話しかける前からずっと!」
レ:「そんなん、別におかしい事じゃあらへんよ!長谷川さんは休んでいただけなんやから」
キ:「レト…お前に小さい頃の話をしたあの公園はここだ。今俺達がいるこの場所なんだよ…」
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香澄(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます!!とても嬉しく拝見しました(*^^*)あいさんに気に入って頂けて、本当に本当に嬉しく思ってます!他の作品も是非よろしくお願いします(*´ω`*) (2016年4月3日 16時) (レス) id: fe97a84109 (このIDを非表示/違反報告)
あい - 完成度が高くてとてもびっくりしました!終わり方なんかも魅力的で私好みでした(*´ヮ`*)次の作品も楽しみにしています! (2016年3月30日 17時) (レス) id: 6587901ccd (このIDを非表示/違反報告)
香澄(プロフ) - 杏さん» コメントありがとうございます!最後まで見て下さってありがとうございます(*^^*)これからも頑張りますので、是非これからも読んで頂けると嬉しいです♪(*´▽`*) (2016年1月11日 22時) (レス) id: 84a4fe9ab3 (このIDを非表示/違反報告)
杏 - 一気に読んでしまいました!めちゃくちゃ面白かったです(*^^*) (2016年1月10日 19時) (レス) id: 06b9bb2462 (このIDを非表示/違反報告)
香澄(プロフ) - 林檎さん» コメントありがとうございます!初めまして林檎さん(*^^*)キヨさんとレトさんと同じように泣いてしまったと聞いて、本当に嬉しく思います(*^^*)キミカレを読んで頂いて、本当に本当にありがとうございます(*^-^*) (2015年11月23日 23時) (レス) id: fe97a84109 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:香澄 | 作成日時:2015年9月24日 0時