chapter:11 ページ11
暫くして、レトは教室へと戻ってきた。
キ:「レト!!」
キヨはレトの姿を見ると、すぐさま駆け寄ってきた。
キ:「お前、急にどっか行くなよ!」
レ:「……」
レトはキヨの言葉に何も言い返さなかった。
キ:「レト?」
レ:「ゴメンな、キヨ君。俺、何も考えてへんかった」
レトの言葉にキヨは混乱していた。
キ:「レト?お前が何言ってんのか、俺分かんねえんだけど」
レ:「キヨ君はホンマ優しいな。でも、俺の事はもう気にせんでええから…」
キヨの言葉にレトは淡々と話す。
キ:「おい、ちょっと待てって。それ、どういう意味だよ」
レ:「……」
『あっ!レトくん!何処に行ってたの??途中でいなくなっちゃったから、心配してたんだよ』
レ:「長谷川さん…もしかして俺を探しに行ってくれてたん?」
Aは教室に入ると、レトを見付けて話しかける。
『うん!だけど、まだ学校に慣れてないから結局レトくん見付けられなかった。キヨくんもレトくんを探してたんだよ』
レ:(っ……またや。胸が痛い)
レトの様子がおかしい事に気付いたキヨは、レトの肩を掴もうと手を伸ばす。
キ:「レト、お前体調悪いんじゃねえか?無理すんな---
キヨの言葉が言い終える前に、レトはキヨの手を払いのける。
レ:「……!」
キ:「!」
『レ、レトくん…?』
レトは唇を噛みしめると、自分の机へと向かっていった。
キ:「……」
黙ったまま俯いているキヨに声を掛けるA。キヨは扉に向かってガンッと拳をぶつけ、そのまま教室を去っていく。
『キヨくん!!』
Aは一瞬レトの方を見るが、キヨの後を追い掛けて行った。
レ:(…あの時からキヨ君は長谷川さんの事気にしてたのは知ってた事やん…俺は2人の邪魔したらあかん。長谷川さんがキヨ君を追い掛けたのが何よりの証拠やん。玲汰、諦め悪いで。親友の好きな子、好きになったらあかん……あかんのに…)
レトはキヨとAが出て行った扉を見る。
レ:「……!」
“好きになったら、あかん”
レ:「…え…?」
その言葉と同時にレトの脳裏にキヨの面影を持つ少年が、怒りと悲しみが入り混じったよう表情を浮かべながら自分に背を向け、歩き出していく。
そして必死に手を伸ばそうとするレトの手。
レ:(待って…どうして離れていくんや…!)
レトはハッとして、自分の手を見つめる。
レ:「…今の、小さい頃の…?あの男の子は…キヨ君…?」
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香澄(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます!!とても嬉しく拝見しました(*^^*)あいさんに気に入って頂けて、本当に本当に嬉しく思ってます!他の作品も是非よろしくお願いします(*´ω`*) (2016年4月3日 16時) (レス) id: fe97a84109 (このIDを非表示/違反報告)
あい - 完成度が高くてとてもびっくりしました!終わり方なんかも魅力的で私好みでした(*´ヮ`*)次の作品も楽しみにしています! (2016年3月30日 17時) (レス) id: 6587901ccd (このIDを非表示/違反報告)
香澄(プロフ) - 杏さん» コメントありがとうございます!最後まで見て下さってありがとうございます(*^^*)これからも頑張りますので、是非これからも読んで頂けると嬉しいです♪(*´▽`*) (2016年1月11日 22時) (レス) id: 84a4fe9ab3 (このIDを非表示/違反報告)
杏 - 一気に読んでしまいました!めちゃくちゃ面白かったです(*^^*) (2016年1月10日 19時) (レス) id: 06b9bb2462 (このIDを非表示/違反報告)
香澄(プロフ) - 林檎さん» コメントありがとうございます!初めまして林檎さん(*^^*)キヨさんとレトさんと同じように泣いてしまったと聞いて、本当に嬉しく思います(*^^*)キミカレを読んで頂いて、本当に本当にありがとうございます(*^-^*) (2015年11月23日 23時) (レス) id: fe97a84109 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:香澄 | 作成日時:2015年9月24日 0時