大事な話 ページ10
今度会うとき、そうメールが来て一週間くらいが過ぎる頃
玲於くんの休みが取れた土曜日にカフェで会うことになった
いつもは事務所なのに今回は違う
大切な話なんだと心に不安を募らせながらもそのカフェに向かった
「玲於くん……お待たせしました」
先に着いて携帯を弄ってた玲於くんに声をかけると
顔を上げてふっ、と笑った
玲於「久しぶり、なに飲む?」
「うーんと、」
玲於「りんごジュースにする?俺は……コーヒー、かな」
私が答えるのも待たずに自分勝手に決める
「ちょっと!私、そんなんじゃないですよ」
玲於「ははっ。だって味覚子供じゃん、A」
「玲於くんのほうですよ、それ。絶対コーヒー飲めないのに」
玲於「は?んなことねぇーし」
いつもみたいに言い合いになる
でもこれが私たちにとって普通のこと
なんだかんだこれでも付き合ってるんだけど
それぞれの飲み物を頼んで飲みながら
しばらく話をする
たまに玲於くんがなにか言いたそうな顔をしてはやめたりを繰り返す
きっとメールで伝えてきたあのことだと思う
自分から聞こうとも考えたけど
玲於くんから話してくれるのを待つことにした
それから数分後
不自然な沈黙の末
玲於「……あのさ、この前メールで言ったやつあるじゃん?」
それでさ、その……と口ごもり
鞄からあるものを取り出しはっきりとした声で
玲於「俺ん家、来てよ」
「え?」
テーブルの上には家の鍵らしきもの
話を聞く限りこれは玲於くんの家の鍵
玲於「ずっと考えてた。俺の仕事上会える時間とかも限られてくるし、会えたとしても夜遅くなる。Aのことも考えるとずっとは続けられない、だから」
話を聞いてるけど全然頭に入ってこない
「俺と一緒に暮らそ」
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作者名:カステラ | 作成日時:2018年8月23日 20時