生徒会長と私と幼馴染み (ページ3)

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１話ページ3

春休みが終わり新学期が始まった。
　
クラス替えの季節だ。
　
緊張感が走る中、険しい顔で私は“A組”と書かれたクラス表を見た。そしてAAの名前を確認すると表情を緩めてホッと肩の荷をおろした。
　
(まぁ、あんなに頑張ったんだし...)
　
そう思いながら次に同じクラスになる子たちに「よろしく」と挨拶して教室に向かった。
たかがクラス替えなのに場はまるで受験会場だ。

他の学校のクラス替えは楽しいものなんだろうけどうちの学校は違う。
この学校、すなわち椚ヶ丘学園では成績の順位で教室が振り分けられる。
A組から最低のE組まであり、上位の者はA組へ行き優遇され、下位の者はE組へ行かされ劣悪な環境、扱いで一年間過ごさなければならなくなる。
つまり私は学年の上位にはいれたのだ。
　
でも、私がホッとしているのはそれだけではない。
　
「よかった。カルマ君いなかった。」
　
さっきちらっと見えた“E組”のクラス表の一番上に見切れるほどだけど«赤羽業»の文字が見えたので、私は安心した。
　
あれ以来カルマ君とは距離ができてしまった。厚い壁が出来たかのようにちょっとずつお互いがお互いを疎外していき、ついには全く喋らなくなってしまった。家はすぐ隣だけどあえて時間をずらしたりして会わないようにしている。
　
仲のよかった頃を思い出して、胸にチクッと針でも刺されたかのような気持ちになった。

　(...だめだめ！気持ち切り替えないと...いつまでも引きずってられないでしょ！)
　
教室の前まで行き、パンッと両手で頬っぺたを叩いて「よしっ！」と喝を入れ扉を開こうとしたとき、
　
ガラッ
　
誰かが教室からドアを開けて、お互いが向かい合う形になった。