生徒会長と私と幼馴染み (ページ16)

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８話　① ページ16

朝目が覚めて時計を見てみるといつも６時半に設定してある目覚まし時計が７時半のところに針を指していた。
　

「......。ああああーーー！！！」
　
　
完全に寝坊だった。
ベッドから飛び出て、急いで身支度した。
自室から勢いよくでて、階段を降りる。そして母に「どうして起こしてくれなかったの！！？」と聞くと
「あんたいつも自分で起きてるじゃない」と言われた。
時間もなかったので返事をせず家を飛び出た。

(家が近くて良かった...！！)
　
そう思って走っていたら目の前に赤い髪の毛の見覚えのある後ろ姿が見えた。
　
(か、カルマくん...‼)
　
急ぎ足が自然と止まり私を硬直させた。
目の前にいたのは停学明けで、学校に行くために出てきたと思われる赤羽業だった。
その彼が私の気配に気づいたのか、後ろを振り向いた。
　
「！！」
　
目があった瞬間時間が止まったような気がして、頭が真っ白になった。それなのに心は正直で底から何か熱い物が込み上げてきて、涙が出そうになる。
　
「久しぶりじゃん」
　
久しぶりに彼の声を聞いた。相変わらずの小悪魔のような笑顔でこちらを見てくる彼は、なんだか去年とは別人のように思えた。
　
　
「ひ、久しぶり...だね」
　

気まずい空間の中、先に会話を繋げたのは彼の方だった。
　
「まぁ、そっちが、会わないようにタイミング合わせてただけなんだろうけど～」
　
ニっとしや表情で言われて私は「はは、何でもお見通しなんだね」と返した。そしてカルマくんが突然聞いてきた。
　
「そういや、男できたの？」
　
　
「...え？」
　
　
何を言っているか理解できなかった。どう言うことだろうと考えていると、カルマくんが「ぷはっ」と吹き出した。
　
　
「っていうか、いいの？いそいでたんでしょ？」
　
そう言われ携帯を見ると８時を過ぎていたので「ぎゃ！」っと叫んでカルマくんに「じゃあ！」と言って走っていった。
　
「...ホント面白いやつ」
　
　

　