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『廉くん…』
顕嵐くんの携帯が
私のカバンの中に、たまたま入っていたのだ。
廉くんからのメールを知らせた携帯。
顕嵐くん、廉くんありがとう。
『救急車お願いします、』
何故か涙は出てこなかった。
救急車を呼ぶ時も
淡々と住所などが口から走って出ていった。
『……』
救急車がくるまでも
救急車が来てからも
救急車のなかでも。
私は紫耀に声をかけることは無かった。
なんでだろう、きっと、なんとなく、
いなくならないって思っているのかも。
ただ、ずっと紫耀の手を握って、
頬を撫でて。
たまに紫耀は口をぱくぱく動かすけど、
何を言いたいのか、
私たちにはわからないから。
「これから、男性の腕の傷を塞ぎます
出血量が多いため、血液を足し…」
そんなに長い説明するなら
早く紫耀を助けてよ。
「よろしいですね？」
『はい。』
廉くん、そうだ廉くんに。
パスワードの設定をしていない
顕嵐くんの携帯。
連絡先をみて廉くんを探す。
「ん…顕嵐？どしたんまだ朝やで…」
『あの、廉くん？…Aです…』
「…え？顕嵐…え？え？Aちゃん？」
『あの、顕嵐くんと一緒に東病院に来てもらえませんか。』
「紫耀になんかされたん？
ごめんな…顕嵐一緒やないん？
家行ったらいっか…
15分くらいには着くようにするな」
ブチっときれた携帯電話。
紫耀。紫耀はどれくらい大きな闇を
抱えていたの？
私に分けても良かったのに。
手術室が開いて先生が私に告げた。
「彼の傷は深い。
手術にはなんの問題もない。ただ、
彼自身に生きたいという意思がなければ
この手術は無意味と言っても過言ではない。
彼がこの先、どうやって命をおとそうとするか、そんなの君にも僕にも、もしかすると彼自身も分かってないかもしれないけど、
今は見張る形で、そばにいてあげた方が
まだ未来は明るくなるだろう。」
先生と入れ違う形で
顔の青い顕嵐くんと、驚いた表情の廉くんがきた。
『紫耀のこと、殺したのは私なのかもしれない。』
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ユワ(プロフ) - 花さん» 返信遅くなり申し訳ないです（ ; ; ）これからもよろしくお願いします！ (2017年12月10日 21時) (
レス) id: ddde5347e1 (このIDを非表示/違反報告)
花 - 続き楽しみです。 (2017年11月28日 20時) (レス) id: 7b0326607d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユワ | 作成日時：2017年11月25日 23時
