25話 ページ28
#Aside
午後の授業が始まるベルが鳴る。なんとなく授業には出る気がしなくて、屋上に行った。鍵は大先生から借りて来た。
ｶﾁｬﾘ、と音が鳴ったのを確認し、扉を開ける。涼しい風がﾌﾜﾘと吹き、髪がゆらゆらと揺らされる。
そのまま柵に手を掛け、景色を見渡す。綺麗な街並みが続いて、思わず息を呑むほどだった。
「わっ。」
『うわぁあぁぁああぁあ!!!!!』
肩が跳ね上がり、何とも情けない声が出る。若干涙目になりながらも後ろを振り返ると、クスクスと楽しそうに笑っているマンちゃんがいた。
「もうちょっと可愛い驚き方しようや。」
『無理!!落ちるとこだったんだよ!?あとホントに可愛い驚き方する子なんていないと思うよ!!!』
「ゴメンゴメン、許して?」
ねっ?と、にこやかに首をかしげるその姿はそこら辺のJKより可愛かった。それで許せと言われたら怒る気も無くなる。
『はぁ…あ、マンちゃん授業始まってるのにいて良いの?』
「それはこっちのセリフや。Aちゃんもおってええの?」
『サボったの。』
「悪い子めう〜。」
『マンちゃんもでしょ。』
「俺は違います。Aちゃん追い掛けて来たんや。」
口元に人差し指でバツを作り、ニコッと微笑む。…女子より女子らしい。
『マンちゃん戻らなくて良いの?私サボっただけだから大丈夫だよ。』
「…居ちゃダメなん?」
顔を覗き込まれ、少し悲しそうな顔をされるとどうも言えなくなってしまう。
『…ダメじゃない。』
「やっためう〜。」
ﾊﾟｯ、と笑顔を咲かせ、柵から少し離れた所に座り、こっちにおいでと手招きをする。
隣に座ると、"あ、”と何かを思い出した様に手を叩いた。
「Aちゃんシッマに、ほっぺにキスされたんやって?」
『情報が!!!早すぎる!!!』
「トントンが言ってきたで。」
『許さない。』
「ええやん。」
『良くない!!!』
手で顔を隠す。マンちゃんは楽しそうに笑っていた。
「あ、そうや。もうすぐ休日やん。お出掛けしない?」
『…ん。何処行くの?』
「んー、カフェ行こうや。」
『行く。』
満足そうに頷いたマンちゃんと、集合場所と時間を決める。
「じゃあ、そろそろ教室戻るめう。」
もうそんな時間か、と携帯の時間を見る。大分話し込んでいたようだ。
「Aちゃん。」
名前を呼ばれたのと同時に。
___コネシマにされた感触と同じ様なのを頬に感じた。
勿論、したのはマンちゃんだ。
「ちょっと嫉妬したんや。…ゴメンね?」
そっと頬に手を添え、少し微笑まれる。そして、去っていくマンちゃんの後ろ姿を見送った。
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ひだか - すぷらさん» ｺﾒﾝﾄありがとうございます!!じゃんじゃんﾜｰｲしてください() (2017年11月13日 19時) (
レス) id: b521abc617 (このIDを非表示/違反報告)
ひだか - 夜狐さん» ｺﾒﾝﾄありがとうございます!!面白いなんて、ﾓﾁﾍﾞｰｼｮﾝ上がります!!ありがとうございます!!次も頑張りますね!! (2017年11月13日 19時) (レス) id: b521abc617 (このIDを非表示/違反報告)
すぷら - 面白過ぎて≡┗( ^o^)┛≡┏( ^o^)┓≡┗( ^o^)┛ﾜｰｲって思わず言ってしまった (2017年11月12日 13時) (レス) id: a664458b0b (このIDを非表示/違反報告)
夜狐 - 初めてこのお話を見させて頂きました！とっても面白いですし好きですよ♪次のお話も頑張ってくださいね♪楽しみにしてますよ！ (2017年11月7日 20時) (レス) id: 8cf2fbf423 (このIDを非表示/違反報告)
ひだか - コメントありがとうございます!!死ぬほど嬉しいですあばばば() osmnさんはｲｹﾒﾝというか紳士にしたかったんです(性癖)()期待に応えられる様に頑張ります!() (2017年10月21日 0時) (レス) id: b521abc617 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひだか | 作成日時：2017年10月14日 3時
