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あの子の日記 ページ1



〈7月○日〉

今日から日記をつけようと思う。自己紹介とか書いた方がいいの…?私は「幽霊を認識することができる」異能力を持っている。この力を持っているお蔭で憧れの「武装探偵社」に入れた。今までは見たくない時に幽霊を見てしまったこともあるし、彼奴らの助けを求める声で眠れないときもしばしば。入社した今は、社長の力で制御できているんだけどね。…日記って云われてもあんまり書くことないな。あ、そうだ今日は太宰さんが仕事していて、国木田さんが驚いてた。太宰さん、あんまりやりすぎると国木田さんの胃に穴が開きますよ。

〈7月○日〉

今日は仕事でミスを連発…。敦君にも指摘されちゃった…どうしよう。社員の皆さんに迷惑をかけてしまうなんて最悪だ。ううん、駄目だ。この日記にはいいことを書きたいんだ。今日あったいいこと、いいこと…。あ、そういえば国木田さんに注意された後、太宰さんに飴を貰った。私の好きな桃味だった。太宰さん何時の間に知ったんだろう。それとも偶然なのかな?偶然でも嬉しかった。
貰った飴は甘かった。

〈7月○日〉

太宰さんはよく自 殺する。何時か死んじゃいそうだ。とても心配。
あんなに儚げな顔をした太宰さん、初めて見た。

〈7月○日〉

久しぶりに異能が暴走した。太宰さんが居なかったら危ないところだった。すぐに無効化してくれたけど。…太宰さんの手、冷たかったなぁ。

〈7月○日〉

今日は依頼で横濱の沿岸部に行った。それも太宰さんと二人きりで。崖の端まで登った後、太宰さんが入 水しないかすごく不安だった。本人は「Aちゃんを困らせたりしないよ。」って笑ってたけど。青い海に、透き通るまでの蒼い空。空気がとても綺麗だった。草の上に寝転んで暫くぼぅっとしてた。なんだかとっても楽しかった。また行きたいなぁ。

〈7月○日〉

今日、乱歩さんに「逃げるなら今の内だよ」って云われた。之ってどういう意味なのかな…。名探偵の云う事は聞いておいた方が善いって国木田さんも云うし…。少し不安かな。太宰さんにこの事を訊きに行ったら「ふふふ。」って意味ありげに笑ってた。太宰さんの子供っぽい笑みって初めて見た。ちょっぴり可愛い。

〈7月○日〉

太宰さんがナオミちゃんと楽しそうに話してた。イヤな感じ。やきもち…?まさか!迷惑製造機付き包帯無駄遣い装置だよ!?すぐに入 水しようとするし、仕事はサボってばかりだし。恰好良いけど、女たらしだし。…あーもうすっきりしないな。


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作者名:ぜろふぁいぶ | 作成日時:2019年1月15日 22時

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