ナムさんヌナって呼んで『完結』 (ページ13)

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空港ページ13

BTSが海外スケジュールで出国するニュースを見掛けた。

そんなニュースを見て、いてもたっても居られなかった。
何日もソワソワして、仕事ではミスを連発し、心ここに在らず状態。

ナムジュナは元気かな？
体調は崩してない？怪我はしてない？

テレビで見る彼は痩せて元気が無いようにみえる。
ARMYもみんな心配している。

どんなに笑顔を作っていても、私には分かってしまう。
だけどその原因は私が作った。
彼と過ごした日々を考えると、あの時に別れを決意した後悔と悲しみだけが残る。

あの別れ方は間違っていたのか？
彼の為と思っていても、自分自身の為に逃げ出したのではないのか？

どんなに考えても正解は出てこない。
だけど考えない日はない。

彼らが出国する日は分かってる。
でも会えないんだ。私は自分から身を引いたんだもん。
突然居なくなる、さよならも言わないで消えると決めたのは私。

出国の日、私は仕事を休み空港へと向かっていた。

マスコミが空港で準備をしている。
ナムジュナはここに来ると思えば、どんどん高揚してくる心。

会わないと決めた以上は顔を出す訳にいかないので、物陰に隠れて彼を待つ。

空港の外が騒がしくなり、4台の黒い車が横付けされた。
車から出てくるメンバーにマスコミは一斉にカメラを向ける。

物陰からナムジュナがみえる。

あー、元気がない。少し痩せてしまった。
笑顔だけど、心から笑えてない。
ナムジュナ、、、切なくなる気持ちを必死で堪え涙ぐむ。

ねぇナムジュナ、ヌナって呼んで、、、
ここに来て抱きしめてよ、、、

私の願いは叶わぬまま、彼はメンバーと空港の中へ消えて行った。