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『あっつー…』

「暑いッスね…」

蝉の声が響く。いつもより冷たいものが欲しくなる季節。もうすぐ夏休みだ。

つい最近まで日に焼けたくないという理由で制服は冬用の長袖シャツのままでいたけれど、流石にこの暑さで長袖シャツを着るのはやめて、夏用の半袖シャツに衣替えをした。

『……松野くんってさ』

「?…ハイ?」

『意外と筋肉あるよね』

長袖で普段見えない腕が、夏になった今では当たり前のように見えるわけで。可愛い松野くんも男子中学生、当然私よりも筋肉はつく。

私の後ろに犬のようにパタパタとついてくるいつもの松野くんからは想像出来ないガッシリした腕。

『なにかあったら私に相談しなよ?』

「え、あ、はい…?」

腕にうっすらと残る、小さい傷の数は松野くんが頑張った証だから。沢山喧嘩したんだろうけど、見逃してあげよう。

『松野くんはいつも頑張ってるんだね』

「A先輩今日どうしたンスか……」

『んーん!なんでもない!』

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作者名:イカスミチャン | 作成日時:2021年6月27日 0時

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