つー ページ6
ど う し よ う
いやほんとどうしましょう。
僕は幹部のエーミール様に靴を選んだら帰る予定だった。
が、お昼に誘って頂いて今はパスタをご馳走になっている。
そして目の前のエーミール様は美味しそうにカルボナーラを食べながらこちらをじっと見てくる。
なんだろう。
スケッチブックをカバンから取り出して、
『どうされました？』
と書く。
em「いえ、貴方のこと、どこかで見たような気がして...」
それには心当たりがある。答えたいところだが、今はとてつもなく美味しいミートソースパスタが目の前に。
冷めたりしないよう、時間を取りたくなくてスケッチブックに急いで書く。
確かエーミール様は教授でもあるため、博識だったはず...！
『あの、手話ってできますか？』
em「ええ、できますよ。」
すると有難いことに彼はその後の会話は手話で行うことが出来た。
『僕はもう滅んでしまったα国の宮廷音楽師だったんです。α国の広場などで演奏させていただいている時に僕はエーミール様を何度かお見かけしたことがありますよ。』
em「それや！あれ、でもその時は車椅子ではなかったですよね？事故ですか？喋れないのもなにか関係が...？」
...言うべきだろうか。いや、まだそのときでは無いだろう。
この人は好奇心旺盛だ。
きっと気になることがあったら聞かずにはいられないタチなのだろう。
『はい、事故です。』
em「オルガニストでしたよね。足がないと弾けないじゃ無いですか...」
『確かにパイプオルガンはもう弾けませんが、その代わり色んな活動をしています。3時頃から広場で演奏会する予定なので、もし良かったら来てください。』
そう言ってまたカバンの中からチラシを渡す。
『喋れないのは心因性ですので、今は喋れるように色々頑張ってます。』
まぁ心因性なんて口からでまかせですけど。
パスタを食べ終わり、店を出る。
正直幹部様にお代を払わせるのは後ろめたかったので自分が払う、と意思表示を何度かしたが、全く譲ってくれなかった。
em「演奏会、聞きたいんですけど、ついて行っても良いですか？」
それは嬉しい。
すぐに手でOKの形を作ると、エーミール様は素早く私の後ろにまわって車椅子の取っ手を掴んだ。
後ろを向いて
『自分でできますよ？』
と手話で示せば、彼は
em「押したいんです。」
と言って聞かなかった。
今日はきっと素晴らしい日になることだろう。
空は晴れて幹部の方に優しくしていただけるのだから。
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Nanaki(プロフ) - ノエルさん» 完結させて頂いた！！コメントありがとうございます！ノエルさんのその一言が次の作品を書く意欲につながります！ (2019年11月17日 23時) (
レス) id: 98fbb2e461 (このIDを非表示/違反報告)
Nanaki(プロフ) - なみだめさん» おめでとうコメントをありがとう！なみだめさんを楽しませることができて嬉しい！！ (2019年11月17日 23時) (レス) id: 98fbb2e461 (このIDを非表示/違反報告)
Nanaki(プロフ) - mo4さん» mo4さんのコメントで更新頑張れました！読んで頂けたうえに面白いと言っていただけて幸せです。ありがとうございます！！ (2019年11月17日 23時) (レス) id: 98fbb2e461 (このIDを非表示/違反報告)
Nanaki(プロフ) - あめさんさん» しっかり読んでくれてありがとうございます！命令系敬語がすき...同士ですね！？いやこれ同士だわ。(確信)次の作品ももし良ければ読みやがれ下さい！ (2019年11月17日 23時) (レス) id: 98fbb2e461 (このIDを非表示/違反報告)
Nanaki(プロフ) - yukinaさん» ありがっと！次の作品もよろしくです！ (2019年11月17日 23時) (レス) id: 98fbb2e461 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Nanaki | 作成日時：2019年11月2日 2時
