8タイプ ページ39
意識があるのに痛みは感じず、目の前で希望が、僕の生きがいは消えていった。
そんな目にあった事、無いでしょう？
...すみません。
それで、兵士が言いました。
「お前の利き手は右だったな。左から落としてやろう。」
嗚呼、僕はもう人ではなくなるのかな。
音楽家では無い僕に生きる価値なんてあるのかな。
もう残ったのは生贄として愛されずに生まれた僕。
そう思っていると、慌てた様子で僕の知っている兵士が拷問室に入ってきました。
mb「隊長！今すぐお耳に入れたいことが...！！」
「なんだ。」
隊長と呼ばれた兵士は電動のこぎりを机に置き、ドアへ向かいました。
音楽家だからでしょうか、耳は良くて。聞こえてしまったんです。
mb「実はA・サクリフィスはえん罪でした。今自首して来た者がいます。あれは狂言だったと...」
ムチで打たれるよりも痛い感覚が僕を襲いました。
おかしいですよね。麻酔で痛みは感じないはずなのに。
嘘だと誰か言って。
そのまま耳を傾けて分かったことは、5つ。
・僕が革命・反乱を起こそうとしているのは狂言である。
・発信元は僕を妬んだ同じ3人の音楽家。
・僕は釈放される。
・発信元の3人は自首して来て、もう逮捕をした。
・3人はここまで大事になると思っていなかったらしい。
...その音楽家は僕と何度も一緒に演奏をしている人達だった。
尊敬している人達だった。
僕が困ればいいと思ったらしい。
そのおかげで僕は腕を取られることはなかったものの、足は無い。
もうオルガンは弾けない。
...胸の奥がズキズキと痛んだ。
_____その後、僕は簡単な治療を受け、釈放されました。
申し訳程度の金銭と車椅子を兵士から貰うと、その兵士は言いました。
僕を拷問した兵士は処刑されたと。
行き過ぎた行為であったと。
音楽家達は処刑されたと。
僕を貶め、音楽家としての命を絶ったからと。
すまなかったと。
軽はずみに決断したと。
そんな事はどうでも良かった。
この国を今すぐ出たかった。
どんなことが起きても僕の足は無いから。
生えてくるなんて事は無いから。
寝て起きたら全て夢だったなんて事は無いから。
そんな都合のいい事なんて無いから。
＿＿＿＿＿そうして僕は慣れない車椅子を転がしながら我々国へと向かいました。
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Nanaki(プロフ) - ノエルさん» 完結させて頂いた！！コメントありがとうございます！ノエルさんのその一言が次の作品を書く意欲につながります！ (2019年11月17日 23時) (
レス) id: 98fbb2e461 (このIDを非表示/違反報告)
Nanaki(プロフ) - なみだめさん» おめでとうコメントをありがとう！なみだめさんを楽しませることができて嬉しい！！ (2019年11月17日 23時) (レス) id: 98fbb2e461 (このIDを非表示/違反報告)
Nanaki(プロフ) - mo4さん» mo4さんのコメントで更新頑張れました！読んで頂けたうえに面白いと言っていただけて幸せです。ありがとうございます！！ (2019年11月17日 23時) (レス) id: 98fbb2e461 (このIDを非表示/違反報告)
Nanaki(プロフ) - あめさんさん» しっかり読んでくれてありがとうございます！命令系敬語がすき...同士ですね！？いやこれ同士だわ。(確信)次の作品ももし良ければ読みやがれ下さい！ (2019年11月17日 23時) (レス) id: 98fbb2e461 (このIDを非表示/違反報告)
Nanaki(プロフ) - yukinaさん» ありがっと！次の作品もよろしくです！ (2019年11月17日 23時) (レス) id: 98fbb2e461 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Nanaki | 作成日時：2019年11月2日 2時
