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ですが、痛みの代わりに来たのは絶望でした。
兵士は僕の口をこじ開けて私の舌を切り落としました。
大量出血で死ぬかと思いましたが、その兵士は僕に適切な手当をしました。
そんな事をするくらいなら、いっそ死なせて欲しかった。
でもそれは許してくれなくて。
きっと麻酔も僕が痛みでショック死しないようにという配慮でしょう。
何がしたいのか全くわからなかった。麻酔を使うくらいならば舌を切断なんてしなければ良かったのに。
キツかった。
私、本当は喋れるんですよ。
いや、声を出すことが出来ると言った方が正しいですかね。
舌がなくなっただけで、声帯は無事なんです。
ただ発音は上手くいかず、物をなかなか飲み込めない。
だから食事は飲み込みやすいものを今は食べています。
最近だと、シチューやスープでしょうか。
するとどうしても栄養を取りきることはできないのか、少しだけ痩せてしまいましたがね。
固いものはよく噛めばいいですが、やはり時間がかかります。
...きっと今日の朝食時にゾム様が言いたそうにしていたのは、僕の口の中を見てしまったのでしょう？
迂闊でした。あんなに大きく口を開けるものでは無いですね。とても見苦しいモノを見せてしまいましたね。
ごめんなさい。
___そして、僕の舌はなくなった。歌はもう歌えない。
仲間と歌ったアメイジング・グレイス。
もう僕は歌えない。
α国の国民の皆が認めてくれた僕の歌声。
もう聴いてもらうことは無い。
僕のプライドはズタズタでした。
いつの間にか僕の足の指の爪は剥がされていて。
でも痛みは感じない。
怖かった。
痛みを感じることが出来ないことが。
兵士に命を握られているということが。
もしかしたらオルガンを弾くことができないかもしれないということが。
僕は喋れなくなりましたから、兵士に何を聞かれても『あー』『うー』で返しました。
馬鹿ですよね。なんの為に尋問を、拷問をしていたのか。
喋らせるためなのに。
もう僕はその兵士のストレス発散の道具となっていて。
ナイフでつけられたまだ治っていない傷の上からお腹を蹴られて、薄れゆく意識の中僕はずっと、
早く死にたい、と思っていました。
きっと、また冷たい水を被って目を覚ますのだろう。
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Nanaki(プロフ) - ノエルさん» 完結させて頂いた！！コメントありがとうございます！ノエルさんのその一言が次の作品を書く意欲につながります！ (2019年11月17日 23時) (
レス) id: 98fbb2e461 (このIDを非表示/違反報告)
Nanaki(プロフ) - なみだめさん» おめでとうコメントをありがとう！なみだめさんを楽しませることができて嬉しい！！ (2019年11月17日 23時) (レス) id: 98fbb2e461 (このIDを非表示/違反報告)
Nanaki(プロフ) - mo4さん» mo4さんのコメントで更新頑張れました！読んで頂けたうえに面白いと言っていただけて幸せです。ありがとうございます！！ (2019年11月17日 23時) (レス) id: 98fbb2e461 (このIDを非表示/違反報告)
Nanaki(プロフ) - あめさんさん» しっかり読んでくれてありがとうございます！命令系敬語がすき...同士ですね！？いやこれ同士だわ。(確信)次の作品ももし良ければ読みやがれ下さい！ (2019年11月17日 23時) (レス) id: 98fbb2e461 (このIDを非表示/違反報告)
Nanaki(プロフ) - yukinaさん» ありがっと！次の作品もよろしくです！ (2019年11月17日 23時) (レス) id: 98fbb2e461 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Nanaki | 作成日時：2019年11月2日 2時
