選手としてみた、されてみたサムライブルー編2【短編集】

女の子の日 Ao.T ページ6

『それでね···』


ニコニコと笑って、楽しそうに喋るA。でも、それが作り笑いであることにはすぐに気づいた。

「···A、ちょっと失礼」

『？！』


俺は彼女をお姫さま抱っこして寝室へ連れていき、布団を被せた。


『えっ、待って待って、私元気だよ？』

「そんな顔色悪いのにどこが元気なの。無理してんのバレバレだよ」


Aは唇を噛んで、悔しそうな顔を見せる。
そして、困ったように眉を下げた。


『···なんで、碧にはすぐ気づかれちゃうのかな』

「そりゃ、俺はAの彼氏だからね。Aのことを一番に把握しておきたいと思うのは当然だよ」

『···』

「···また迷惑かけちゃった、って思ってる顔だな」


そう言うと、Aは目を大きく見開いてこちらを見た。図星だったか。


「あのね、俺は迷惑だなんて一度も思ったことないから。変に気遣わないで、もっと俺のこと頼って」


Aはやられた、とでも言うように苦笑いを浮かべた。

『さっき碧がこうしてくれてなかったら、私お腹痛すぎて倒れてたかも。ありがと』

「いえいえ。良かった、倒れなくて。ちゃんと薬飲んで、あったかくして、今日は大人しくしてなさい」

『···碧、お母さんみたい』

「また無理したら怒るわよ。分かった？」

『ふふっ、はいママ』





(requested by りお様)

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