#1 ▽ ページ4
『ありがとうございました〜』
午後6時。最後のお客様がお店から出たところで、閉店の準備をする。
そのとき、後ろでドアが開く音がした。
『ごめんなさい、今日はもう···』
思わず言葉を失った。
陽の光を浴びる稲穂のように眩しい金色が、夕日に照らされて輝きを増していた。
彼は私に向かって微笑んで、軽く右手を振る。
「久しぶり。Aさんなんか小さなった？」
『律くん···。久しぶりに会って最初に言うことじゃないでしょそれ。ていうか、それは私が小さくなったんじゃなくてあなたが大きくなったんですー』
「···おお、こんなとこにええ肘置きが」
律くんは私の頭に腕をそっと置いた。
私に体重をかけないように、本当にただ置くだけにしてくれているというさりげない優しさにちょっとムカつく。
『···怒るよ？』
キッと律くんの顔を睨みつける。彼は無言のまま目を細めて私の頭をぐしゃっと撫でた。
『ぅにゃっ！』
「ごめん。Aさんの反応が可愛いさかい、つい」
『なっ？！からかわないで！！』
そう言い返すと律くんは無邪気な声で笑う。
『···笑った顔は可愛いままなのに、なんで中身はこんなふうになっちゃったのしら？』
「何言うてんの。俺、笑顔以外も全部可愛いやろ？」
『そこが可愛くないって言ってんの』
「手厳しいな」
律くんは突然、あっ、と何かを閃いたような声をあげた。
「そうや。Aさん、この後時間ある？」
『うん、お店閉めたらもう今日は何も···』
「よっしゃ、ほな決まりやな」
律くんはそう言って私に近づいてくる。
後ろに下がって距離をとっていたが、とうとう壁に追いこまれてしまった。
そして彼は壁に肘をついた。
意地悪い目つきのはずなのに·····なんか、変にドキドキする。
『な、なんです、か···？』
「ご飯一緒に行かへん？」
『···え？』
「せやから、ご飯一緒に行こって」
『···今から？』
「今から」
『今から？！』
「···今から」
『ていうか！誘い方おかしいでしょ！なんなの？！』
「Aさん毎度ええリアクションしてくれるさかい、普通に誘うんじゃおもろくない思て」
『もうやだ···』
私は律くんのお腹にパンチを一発だけ放った。
彼はもちろんヘラヘラしてましたけど。
『とりあえず、とっととやることやってくるから、そこで待ってて』
「あ、行ってくれるんや。やさしー」
『お口ミッフィーにするよ』
「きゃー！！」
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茜屋(プロフ) - こあくまさん» うおおおありがとうございます！更新お待たせしました🙇 (2023年2月17日 18時) (
レス) id: 556e637f1a (このIDを非表示/違反報告)
こあくま - あ更新ｷﾀｱｱｱ最高ですねありがとうございます (2023年2月17日 17時) (レス) id: 9dbda582fa (このIDを非表示/違反報告)
茜屋(プロフ) - こあくまさん» どうなんでしょうか···🤔非公開で保存してるからかしら？？ (2023年2月14日 22時) (レス) id: 556e637f1a (このIDを非表示/違反報告)
こあくま - 不具合なのかわかりませんが、更新の文字あるのに1話以降が出てこない...。 (2023年2月14日 19時) (レス) id: 9dbda582fa (このIDを非表示/違反報告)
茜屋(プロフ) - チェヨン🐰⚽️さん» ありがとうございます！頑張ります💪💪 (2023年1月8日 20時) (レス) id: 556e637f1a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茜屋 | 作成日時：2023年1月8日 16時
