壁ドン Taishi.O ページ4
私の中で激震が走った。
私が密かに思いを寄せていた太志くんに、好きな人がいたのだ。
頭の中が急に真っ白になって、涙が出そうになる。
「でさ、どうしたら振り向いてくれると思う?」
そんなことは露知らず、頬杖をつきながら私にそう訊いてくる彼。
私は必死に平気ぶって、作り笑顔で答えた。
『じゃああれは?もういっそのこと少女マンガみたいに壁ドンとかしてみたら?太志くんにやられて落ちない女いないと思うよ』
そんなことを冗談めかして言いながら、心の奥では傷ついていた。
彼への気持ちを諦めきれてないクセに、何背中押すようなことしちゃってんだろう私。
悲しさやら悔しさやらがこんがらがった複雑な気持ちで、涙を流さまいと下唇を噛んだ。
すると、向かい側でコーヒーを飲んでいた太志くんはいきなり立ち上がって、私のほうに近づいてきた。
「ふーん···。じゃあ、Aちゃんも落ちてくれるってこと?」
『へ···?』
じりじりと距離を詰めてくる太志くんから逃げるように、私も椅子から立ち上がって後ずさりをした。
遂に壁際まで追い詰められると、耳のすぐ横でいきなり壁を叩く音がした。
恐る恐る目を開けてみると、そこには珍しく余裕の無い表情の太志くんの姿。
頭上から聞き慣れないいつもより少し低い声が私に降りかかった。
「ねぇ、落ちてくれた···?」
顔が燃えるように熱くなって、壁に沿って体が地面にずるずると落ちていった。
私は驚きで声が出ない代わりにぎこちなく何度も頷いた。
これはもう"落ちた"ではなく、"骨抜きにされた"のほうがきっと正しい。
(requested by ネオンライト様)
373人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
茜屋(プロフ) - タカハシナツコさん» こちらこそリクエストありがとうございました!嬉しいお言葉もありがとうございます✨💞これから短い間ではありますが今後ともよろしくお願いします🫡 (5月1日 8時) (レス) id: 556e637f1a (このIDを非表示/違反報告)
タカハシナツコ - リクエストにこたえて、いただき本当にありがとうございます。とても良かったです。リクエストに2つも、書いてくださり、本当にありがとうございました。嬉しかったです。頑張って下さい。応援しています。更新、楽しみにしています。 (5月1日 7時) (レス) id: 9dcc40d861 (このIDを非表示/違反報告)
茜屋(プロフ) - noaks3814さん» かしこまりました🫡リクエストありがとうございます!! (4月22日 21時) (レス) id: 556e637f1a (このIDを非表示/違反報告)
noaks3814(プロフ) - 初コメ&リクエスト失礼します 狂愛の小野寺選手バージョンで夢主が堕ちちゃうパターンがみたいです (4月22日 20時) (レス) @page32 id: 07d42dee40 (このIDを非表示/違反報告)
茜屋(プロフ) - かえでさん» リクエストありがとうございます!内容はいかがいたしましょうか🤔? (4月22日 7時) (レス) id: 556e637f1a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:茜屋 | 作成日時:2023年10月8日 22時