選手としてみた、されてみた龍神編【短編集】

惚気 Tomohiro.Y ページ11

《智大、最近そのネックレスずっとしてるよね》


ロッカールームでユニフォームに袖を通すと、隣にいた山内さんにそう言われた。

口元が若干ニヤけてる感じ、きっと俺がなんと答えるかはもうなんとなく見当がついているのだろう。


「まぁ···お察しの通りってとこっすかね。誕プレにってもらったんすよ」

《やっぱそうなんだ。いつもそんなのしてないから珍しいなって思ったんだよね》

「よく見てんなー。流石ミドルブロッカー」


そう言うと山内さんは、そうだろ？と得意気に笑って、俺の首元で光るチャームをまじまじと見ていた。


《にしても、彼女ちゃんよくそんなおしゃれなの見つけてきたよな。センスしか無い》

「ふっふっふっ、うちのAはそれだけじゃないんすよ」

《おぉ？》

「まず可愛い。次に可愛い。最後に可愛い」

《いや内容薄っ。もっとなんかあるだろ。優しいとか気が利くとか》

「そういうの全部ひっくるめて可愛い」

《そっか。前言撤回するわ。末永く爆発しろ》



···めっちゃニコニコしてるけど、今さらっとすげぇ怖いこと言ったなこの人。


《あ、ところで今日はそのAちゃんは観に来てんの？》

「仕事オフだからって来てくれたっす」

《お、じゃあかっこいいとこ見せないとだな》

「そんで勝たねーとっすね」

《うん。今日も頼んだぞ、うちの守護神》

「うす！」



バシッと強く背中を叩かれて、二人並んで戦場へと向かった。







(requested by 翡翠様)

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