検索窓
今日:3 hit、昨日:1 hit、合計:52,486 hit

3ー42 ページ21

「どうしようどうしようどうしよう」

「Aうるさい」

「だって!徹先輩怖い!鋭過ぎ!」


帰り道。

私は真っ青になりながら、そう訴える。


「今まで無かったの?怪しまれる事」

「無かった。ほら私、演技上手いからさ」


腰に手を当てて自慢気に言えば、シラーッとした目で見られる。


「じゃあその演技力で切り抜けたら」

「無理!徹先輩は規格外!めちゃ鋭いじゃん!」


白場先輩の時は助かったけど、私にもそれを発揮しないでいただきたい。


「どうしよう私、このままじゃ今年度はもう誰も潰せないじゃん!」

「じゃあまた転校すれば」

「何英、私が引っ越しちゃって良いの?」

「・・・そうとは言ってない」


ニヤッとして、顔を覗き込みながらそう訊くと、ほんのり赤くなった顔を逸らしながら、英は言う。


「素直になれって!まあ大丈夫、私転校するつもり無いし、したくても出来ないし」

「何で?」

「もうすぐ、両親が帰ってくるんだよね。そんな時に、バタバタしたくないじゃん?」

「あ、そういう事」

「どういう事だと思ってたの?」

「Aの出費の理由が遂にバレて、仕送り止められたのかと」

「うちの親、そこまで酷くありませ〜ん」


そこまで言ってから、ハッとした。


「そうだ、そんな話じゃなかった。ねぇ英、徹先輩どうしたら良いかな?」

「ま、様子見で良いんじゃない?新しく潰したい奴が出来たら、その時に考えれば」

「適当だな〜」

「たまには大事だろ」


何故か得意気に言ってくる英に、呆れて笑う。

こんな時間が続いてくれると良いな、と思いながら、残りの帰路を歩いた。

お知らせ→←3ー41



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (97 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
227人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ゆず(プロフ) - momoさん» ありがとうござます!終わるにしても続けるにしても、中途半端にならないように頑張ります (2018年12月9日 19時) (レス) id: e1a0e02e53 (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - この作品凄く面白いので個人的に終わって欲しくないです!あ、でも作者さんの意見が優先的だと思うので特に気にしないでくださいね!更新頑張ってください! (2018年12月9日 18時) (レス) id: 7cb86de119 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - 廚さん» 掛け持ちが増えた所為で、なかなか更新出来ずすみません。出来るだけ頑張ろうと思いますので、よろしくお願いします。 (2018年9月22日 15時) (レス) id: e1a0e02e53 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - 紅蒼さん» ありがとうございます!更新、頑張りたいと思います! (2018年9月22日 15時) (レス) id: e1a0e02e53 (このIDを非表示/違反報告)
- 更新待ってます(^O^) (2018年9月21日 20時) (レス) id: 43f343ee39 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ゆず | 作成日時:2018年9月16日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。