ヒロイン潰す為に帰ってきました。 Ｐａｒｔ４

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徹先輩達は、私の趣味を知らない。

だからきっと、今回麻理ちゃんにする事は、最初で最後だと思ってる筈。


つまり、白場先輩や羽水さんの時みたいにする事は出来ない。

あの２人が退部する事になったのは、偶然だって思わせなきゃいけないから。


麻理ちゃんが転校したりしたら、絶対私が何かやったんだって思うだろう。

その時に２人みたいな終わりだと、『アイツ等が居なくなったのも、Aの所為なんじゃ』ってなるかもしれないから。


今まで以上に神経使うけど、面白そう。

余程酷い事じゃなければ、徹先輩や岩ちゃん先輩、勇にも頼めるだろうし。



さ〜て、どうしよっかな。




その日の夜、珍しく飛雄から電話がかかってきた。

不思議に思いつつ出ると、いつもよりも若干不機嫌な声が聞こえてくる。


『お前、金田に仕返しするって本当か』

「もう知ってるんだ。本当だよ、私やられっぱなし嫌いだから」

『岩泉さんに聞いた。同じ学校の奴には言えない事も、他校の俺になら相談出来るだろうから、って』

「成る程。で、どうしたの？それだけじゃないでしょ？」

『・・・俺は、お前に危ねぇ事はしてほしくねぇ』

「うん。だろうね、飛雄は優しいから」

『でも、お前がやられたらやり返す性格なのも知ってる。国見と幼馴染だからって嫉妬されて、呼び出されても、正論をマシンガンみたいに言って逆に泣かせてたもんな』

「何でそんな事知ってるの・・・。アレ一応、自分でも反省したから」

『だから俺は、金田に仕返しする事は止めねぇ。でも、危ない事はすんな』


・・・ん？


「どう言う事？」

『仕返しはしても良いけど、危なくない様にやれって事だよ。Aは頭良いんだから、その方法くらい考えつくだろ』

「・・・飛雄は、私を心配してくれてるって事？」

『おう。大事な仲間心配して、何が悪い』

「ううん、何も悪くない。ありがとう」


不器用な優しさが胸に染みて、思わず声には出さないで笑う。

らしい言葉だと思った。

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