ヒロイン潰す為に帰ってきました。 Ｐａｒｔ２

2ー60 ページ42

次の試合は、対稲荷崎。


向こうは、未だに昨日のダメージを引きずっているようで、調子はあまり良くなかった。

さて、どちらが勝つのかな？




最初は、稲荷崎がリードしていた。

ツム先輩とサム先輩の双子速攻とか、主砲２人によるスパイクでね。


でも中盤になると、徐々に音駒が食らいつき始めた。

研磨が冷静に観察して、穴を無くしていく、音駒の勝ちパターン。


終盤も、そのままだった。



結果は、２５ー２７で音駒の勝ち。

それなのに、負けず嫌いのツム先輩とサム先輩は、さほど悔しそうではなかった。


う〜ん・・・やっぱり少し申し訳ない。




スポドリを配っていって、最後は１番遠くに居た山本先輩。


「どうぞ」と言ってスポドリを渡すと、返ってくるのは「アアアア、アリガトウゴザイマスッ」という、物凄いカタコト。

朝食の時からこんな感じだけど、何かしたっけ？


いい加減理由が知りたいと、クロ先輩に目を向けると、呆れ顔だった。


「山本、お前、いい加減そんなに挙動不審になるのヤメロ。Aが困ってるだろ」

「他校のマネに迷惑かけんなー」


クロ先輩に便乗して、衛輔先輩も言う。


「だ、だって、女マネっすよ！？しかも美人だし、普通には話せません！！」


・・・そういう事か。

よし、それじゃあ。


「あ、あの、山本先輩。出来る限り普通にして下さると嬉しいです。それに私の方が後輩なので、敬語はやめて下さい」


駄目押しの上目遣い。

すると山本先輩は、顔を真っ赤にしてブンブンと頷いてくれた。

2ー61→←2ー59

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