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後ろからトントンと肩を叩かれて振り返ると、椿ちゃんが立っていた
「おはよ」
私の不機嫌に気づかれないように無理に笑顔を作る
「おはよう」
ニコッと笑うと細くなる目
この笑顔が、風磨と一緒に笑うことになってしまったら
私は、どうなるんだろう
「ふーまから、なんか来た?」
「え?! なんで菊池くんが私に?」
「あー…いいや、なんでもない」
送ってないんだ
風磨は意外に素直なところがあるから、私の言うことには素直に従うと思っていた
しかも、相手は自分に好意がある可愛い女の子
あの風磨が、興味がないわけないのに
「菊池くんってさ…甘いものとか好きだったりする?」
「んー…まぁ好きなんじゃない?」
「そっかぁ」
そんなふうに、顔を赤くしないでよ
そんなふうに、嬉しそうに笑わないでよ
風磨はあんたが思ってるよりずっと生意気で、ずっとバカで、ずっとうざくて、ずっと面倒くさい奴なんだよ
そしてずっと優しい奴なんだよ
バカ
私のなんだから、やめてよ
風磨は私のなんだから、取らないでよ
風磨を好きでいたって、風磨が選ぶのは私なんだから
無駄なこと、やめなよ
心が、そう叫んでいた
妄想も、甚だしい
風磨は、私のものなんかじゃない
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☆ - 9【はっと我に帰る】→我に返る だと思います。 (2019年5月17日 16時) (レス) id: 44d28ad2ed (このIDを非表示/違反報告)
えつ(プロフ) - あいさん» ありがとうございます!とっても嬉しいです…(涙) ぜひぜひまた挑戦してみたいです^^ (2018年10月11日 8時) (レス) id: 94efd89660 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - かさぶた、とってもよかったです!思わず泣いてしまいました。風磨くんのお話また読みたいです。 (2018年10月10日 16時) (レス) id: 88ef7968ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:えつ | 作成日時:2018年9月25日 17時