7.轟焦凍の場合 ページ44
「ふざけてんのか、魅川」
鬼のような相澤先生。
その後ろで苦笑いしているオールマイト。
言わずもがな、大説教を受けている。
三奈ちゃんは勿論、多分透ちゃんも、ニヤニヤ顔だし
麗日ちゃん、梅雨ちゃん、百ちゃんはにこにこ顔だし
他の皆はぽかんとしてるし…
「申し訳ありませんでした。全て私の不徳の致すところでございます…っ」
恥ずかしさと
恐怖と
悔しさとで
最早涙が溢れおちそう。
そんな様子に
相澤先生は額に手を当てて、盛大な溜息をついた。
「途中まではね!相澤くんも私も感心していたんだよ?!ただ、最後がね?まぁ、なんというか…」
「ありゃ魅了持ちのお前が、一番やっちゃダメなミスだろ」
オールマイトは慌てて手を大きく横に振りながら
フォローしてくれたが
相澤先生は全く許す気がないらしい。
「あんま深く聞く気はねぇが…何色が出たとしても、平常心で次の行動を取れなきゃ自分の首を締めることになるぞ」
仰る通りでございます。
そして先生方には完全に状況見透かされている…
恥ずかしすぎるんだけど!!
というか、先生方だけじゃなく
殆どみんなにバレている…
気付いてないのは…
「悪い、A。手首の火傷、冷やそうか?」
飄々としてる、ご本人だけ＿＿＿＿
手首に触れられると、瞬く間に顔に熱が上ってきた。
轟くんの手は冷たいはずなのに…っ
「だ、だだだ大丈夫だからっ!!」
バッと手を振りほどき、耳郎ちゃんの後ろに隠れた。
「もう、帰ってもいいですか…」
「ダメに決まってんだろ。次同じことしたら除籍するぞ。」
子鹿並みに震えてたのに
相澤先生にガチで怒られた。
「え?俺状況わかんねぇんだけど?A、どした?」
どうやら、捕まってた上鳴くんもわかってないみたいで…
「轟の色見ちゃってこれ」
耳郎ちゃんが簡潔に説明すれば
上鳴くんは、私の様子を見て青ざめていく。
「嘘だろぉぉぉ?!おい、嘘って言えよ轟ぃぃぃ!!」
大絶叫してくれたおかげで
相澤先生の説教ターゲットが上鳴くんに移り
それは、私としては良かったのだが…
轟くんと目が合わせられない。
だって、紫くらいだと思ってたんだもん!!
あんな、訓練中に…
真っ赤なハートが見えるなんて＿＿＿＿＿
「A、認めなよ」
耳郎ちゃんが振り返って私に小声で呟いた。
好きだって＿＿＿＿
心臓がどくんと大きく跳ねたと思ったら
私の意識はついにどこかへ飛んでいった。
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作者名：chieko | 作成日時：2024年3月6日 15時
